ゲーム的要素を加えた地図アプリを、地域活性化に役立てよう
私たちの生活を一変させた地図アプリ
地図は、私たちの社会に欠かすことのできないツールの一つです。以前は、紙に印刷されるなどしたものが主流でしたが、その後はデジタル化が著しく、カーナビやパソコン、スマートフォンなどで用いられるものが大半になりました。現在位置から目的地までの最短距離や交通手段ごとの所要時間まで即座に示してくれるなど、紙の地図では不可能なさまざまな機能を搭載している地図アプリは、地図のあり方自体を一変させたのです。
オープンストリートマップから生まれる発想
現在注目を集めているのが、オープンストリートマップというプロジェクトです。「地図のウィキペディア」とも呼ばれるこの取り組みは、誰でも地図上に情報を追記・編集できる機能を搭載することで、オープンデータの地図情報を作り上げていこうとするものです。
オープンストリートマップは、単体での利用のほかに、各種のライブラリなどをうまく組み合わせると、オリジナルの機能を備えた地図アプリを作り出すこともできます。例えば、地図の見た目をロールプレイングゲームのマップのような画面に置き換えたり、オープンストリートマップの機能を使って地図上に追加した特定のスポットをスタンプラリーのようにクリックして回ることで、新しい発見や特典が得られたりするような、ある種のゲーム的要素を加えた地図アプリを作ることも可能になります。この種のアプリは、主にWebアプリの形で作成することが可能で、一般的なスマートフォンでも無理なく動作させることができます。
ローカルな場面で役立つアプリを
オープンストリートマップを土台にゲーム的な要素を付加した地図アプリを、地方の街に観光客を誘致するためのツールとして導入しようとする取り組みも、現在各地で進められています。巨大な規模で稼働するツールではなく、比較的ローカルな場面で無理なく機能するツールをめざすことで、今までにない形での地域活性化に役立つ地図アプリが生まれるかもしれません。
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東北公益文科大学 公益学部 公益学科 教授 広瀬 雄二 先生
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