企業の「もうけ」が一目でわかる財務諸表
どっちのコンビニがもうかってる?
世の中にはたくさんのコンビニエンスストアがあります。例えば、あなたの近所にA店とB店があったとします。A店は店の面積も広くて品ぞろえも豊富で人気があります。一方、B店は店の面積は狭くて商品の数もそれほど多くありません。この2つのお店のうち、実際により多くもうけているのはどちらだと思いますか? 一見、A店のように思えるかもしれませんが、売上高が高くても、費用が多くかかっていれば「もうけ(純利益)」は少なくなります。案外、小さい店の方がより多くの「もうけ」を得ていることもあるのです。
企業の「もうけ」を測るのが財務諸表
どちらのコンビニがより多くもうけているかということを判断するには、財務諸表を見ます。かかった費用と得た利益がわかる損益計算書などが記載された財務諸表は企業の「もうけ」の測定装置なのです。
企業は人々のニーズを満たすことを目的とした組織体です。ニーズにはすでにあるニーズと、まだ存在しないニーズがあります。例えば、スマートフォンは、携帯端末でインターネットも存分に使いたいという新たなニーズを掘り起こすことに成功した事例です。多くのニーズを満たした企業が、結果として大きな「もうけ」を得て、良い財務諸表を公表できることになります。
財務諸表を使って企業のことをよく知ろう!
株式会社の場合、「もうけ」が出ると、その「もうけ」の分け前として配当金が株主に支払われます。したがって、財務諸表は出資して株主になるべきかどうか判断する際の重要な材料になります。また、この「もうけ」に対して法人税などの税金も課せられるので、正しい計算をすることは社会的責任にもつながります。
このように財務諸表は、企業の活動に関わるあらゆる人に、必要な情報を与える地図のような役割を担っています。財務諸表の仕組みを知ることで、企業の全体像をつかむことができ、より深く企業の実態がわかるのです。
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甲南大学 経営学部 経営学科 教授 久保田 秀樹 先生
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