講義No.09567 経営学・商学

企業の「もうけ」が一目でわかる財務諸表

企業の「もうけ」が一目でわかる財務諸表

どっちのコンビニがもうかってる?

世の中にはたくさんのコンビニエンスストアがあります。例えば、あなたの近所にA店とB店があったとします。A店は店の面積も広くて品ぞろえも豊富で人気があります。一方、B店は店の面積は狭くて商品の数もそれほど多くありません。この2つのお店のうち、実際により多くもうけているのはどちらだと思いますか? 一見、A店のように思えるかもしれませんが、売上高が高くても、費用が多くかかっていれば「もうけ(純利益)」は少なくなります。案外、小さい店の方がより多くの「もうけ」を得ていることもあるのです。

企業の「もうけ」を測るのが財務諸表

どちらのコンビニがより多くもうけているかということを判断するには、財務諸表を見ます。かかった費用と得た利益がわかる損益計算書などが記載された財務諸表は企業の「もうけ」の測定装置なのです。
企業は人々のニーズを満たすことを目的とした組織体です。ニーズにはすでにあるニーズと、まだ存在しないニーズがあります。例えば、スマートフォンは、携帯端末でインターネットも存分に使いたいという新たなニーズを掘り起こすことに成功した事例です。多くのニーズを満たした企業が、結果として大きな「もうけ」を得て、良い財務諸表を公表できることになります。

財務諸表を使って企業のことをよく知ろう!

株式会社の場合、「もうけ」が出ると、その「もうけ」の分け前として配当金が株主に支払われます。したがって、財務諸表は出資して株主になるべきかどうか判断する際の重要な材料になります。また、この「もうけ」に対して法人税などの税金も課せられるので、正しい計算をすることは社会的責任にもつながります。
このように財務諸表は、企業の活動に関わるあらゆる人に、必要な情報を与える地図のような役割を担っています。財務諸表の仕組みを知ることで、企業の全体像をつかむことができ、より深く企業の実態がわかるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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甲南大学 経営学部 経営学科 教授 久保田 秀樹 先生

甲南大学 経営学部 経営学科 教授 久保田 秀樹 先生

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メッセージ

あなたの周りには、企業が生み出したサービスや商品があふれています。例えば、コンビニエンスストアで売られている商品やスマートフォンもそうです。あなたは、朝起きてから寝るまで、消費者としてそれらの商品を利用して生活しています。しかし、企業が生み出したサービスや商品については詳しくても、企業そのものがどういう仕組みの組織であり、どのように活動をしているのかについては、あまり意識していないのではないでしょうか。
経営学部では企業について詳しく学ぶことができます。ぜひ一緒に学びましょう。

先生への質問

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甲南大学に関心を持ったあなたは

国際都市・神戸に位置する本学では、建学の理念「人物教育の率先」を教育の原点とし、ミディアムサイズの総合大学だから実現できる、学部を越えた融合型教育で優れた人材育成を実践しています。現在、岡本(神戸市東灘区)・西宮(西宮市)・ポートアイランド(神戸市中央区)に3つのキャンパスがあり、8学部14学科の多彩な学びを展開。また、全学部の学生がグローバル教育を受けられる融合型グローバル教育や共通教育科目の充実により、異なる学部の学生同士が自然につどい、刺激し合い、融合する学びのフィールドが実感できます。