数字から読み解く、人気コーヒーチェーン店の秘密
あなたのお気に入りのカフェはどこ?
今や日本中で、さまざまなセルフサービスのコーヒーチェーン店を見かけます。スターバックスコーヒーやドトールコーヒーなど、それぞれこだわりのコーヒーや心地よい雰囲気をセールスポイントにしています。お客さんは、各チェーン店の特徴を判断して店を選びます。しかし、どういう店かを判断するには、自分の感覚だけでなく別の方法があります。そればズバリ「お金の面から見ること」です。
会社の通信簿「財務諸表」とは
企業には「財務諸表」という、お金について書かれた情報があります。これは「会社の通信簿」とも言われ、インターネットでも公開しているので、一般の人でも見ることができます。財務諸表は、いくつかの決算書で構成されています。「貸借対照表」は資金をどのように調達し、それをどのように使ったか、という企業の財政を表します。「損益計算書」は、企業の経営成績を表すもので、「1年間の売上、売上を得るために使ったお金、実際の利益」などがわかります。
コーヒー1杯はいくらで作られているの?
次にコーヒーの値段に関して説明しましょう。コーヒーを作るための仕入れ代金とかかったお金が「売上原価」で、販売員の給料、店の家賃など商品を売るためにかかったお金が「経費」です。これをコーヒー1杯に換算すると、スターバックスの場合300円のコーヒーを作るのに原価は78.5円、ドトールの場合は、204円のコーヒーの原価は82.5円です。両者に原価の違いはさほどなく、販売価格の差額96円はほとんど経費の差です。
コーヒーチェーン店には、それぞれの戦略があります。安い値段そのままで、おいしいコーヒーをお客さんに喜んでもらう戦略をとるドトール、少し高い価格設定にして、その分販売員のサービスや雰囲気も楽しんでもらう狙いのスターバックス、その違いを会計の数字の上からも読み解くことができます。こうした視点から企業を見ると思いがけない楽しさや新しい発見があるのです。
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先生情報 / 大学情報
阪南大学 総合情報学部 総合情報学科 准教授 臼谷 健一 先生
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