日常生活から経営学を読み取る
人の集まるところすべてが経営学の活躍の場
「組織をどう運営するか。その枠組みを教えてくれるのが経営学だ」と説明すると、とても難しいもののように感じてしまうかもしれません。「経営者ではないから関係ない」と思う人もいるでしょう。ですが実際は、経営学の考え方というのは、日常生活の近くにあり、しかもとても有用なものなのです。
経営学は、問題をくっきり見せてくれる眼鏡
現代社会では、何の組織とも関わりを持たずに生きていくことは、およそ不可能です。家族も部活も学校も、みな組織です。つまり、どこにでも経営学が生かされる場面があると言えます。経営学の枠組みから、家族関係や部活の問題、学校での悩みなどを眺めれば、人間の悩みの多くを占めている「組織と自分との関係から発生する問題」を、よりはっきりと見ることができます。経営学はいわば、問題をくっきり見せてくれる眼鏡のようなものなのです。
テレビCMの向こうから、企業の戦略が見えてくる
例えば、テレビで流れるCMや、スーパーやコンビニで棚に並んだ商品を眺めると、商品を宣伝する企業が、どんな枠組みに従って商品を売ろうと考えて宣伝を行っているのか、その背景を理解することができます。
電化製品のCMでは、自社製品の機能をアピールしているので、同業他社との差別化が見て取れます。また、ボックスティッシュのように、品質が似ている競合商品を扱う企業は、安さを競争力とするので、経営学的には「コストリーダーシップ」が働いていると考えられます。
経営学の枠組みは、丸暗記のようにただ覚えるのではなく、自分の生活とどう結びついているかを意識することがとても大切です。日々組織と自分との問題や、企業の込めた意図などを自分の身近な問題として意識すれば、いずれは自分から物事を理解するための新たな枠組みを身につけ、より明確に社会や問題を見つめていくことも可能になるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
東北工業大学 ライフデザイン学部 経営コミュニケーション学科 教授 阿部 敏哉 先生
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