ウェアラブルコンピュータが世界を変える日はそこまで来ている!
エンターテインメントも盛り上げる
音楽のライブ会場を盛り上げるのに欠かせない光の演出に導入されているのが、ウェアラブルコンピュータ、つまりLEDやセンサーなどを身につけて使用するコンピュータです。リオデジャネイロオリンピックの閉会式でも、音楽やダンスに連動して服に搭載されたLEDが点滅するパフォーマンスが繰り広げられました。これは、センサーが人の動きを察知して、自在に光を制御する技術を活用しています。見る人を魅了するウェアラブル技術は、エンターテインメントの世界にとどまらず、福祉や介護、教育などあらゆる場面でも応用されています。
パーキンソン病や認知症の悩みを解決!
人の動きを感知するセンサーの先読み技術を搭載したコンピュータを身につけることで、例えばパーキンソン病患者は、手の震えの悩みから解放されました。食事のときにも手の震えが止まらず、料理をうまく口に運べずに苦しんでいましたが、スプーンの取手部分にセンサーを内蔵することで、スプーンの動きを安定させることに成功したのです。
さらに同様の技術で、キーボードを正確に打つことも可能にしました。また、尿意を感じにくい認知症患者には、センサーをおなかに貼ることで、トイレに行く時間を知らせ、介護の負担を減らすことにもつながりました。
ウェアラブル社会が人の生き方を変える!
ウェアラブルコンピュータは、心理学、社会学、医学、哲学などあらゆる分野との関わりで今後もどんどん発展し、一気に利用が広がるときがくるでしょう。障がいのある人は苦手な能力を補うことができ、プロのアーティストやスポーツ選手はさらに能力を高める支援を受けられます。ユニバーサルデザインからさらに一歩進み、一人ひとりに合った生き方をサポートするパーソナルデザインの世界への移行が実現するはずです。
しかし、新技術には良い面と悪い面が存在します。研究者はその両方を理解し、人に与える影響を十分考え、技術を生み出すことが求められています。
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先生情報 / 大学情報
神戸大学 工学部 電気電子工学科 教授 寺田 努 先生
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情報科学、計算機工学先生が目指すSDGs
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