もうすぐ、コンピュータをファッションとして着こなす時代になる
コンピュータを着るってどういうこと?
あなたも携帯電話でメールを打ち、ワンセグでテレビ番組を見ることがあると思います。同様にコンピュータも歩きながら外で使えたら……そんな望みをかなえるのがウェアラブルコンピュータです。コンピュータを外で使うという点では「モバイル」と同じですが、決定的な違いは両手を自由に使えるということです。あまり知られていませんが、ウェアラブルコンピュータは、すでに1980年代から開発が進められ、一部では実用化されています。例えば、高所や暗所でマニュアルを見る作業や別のところから指示を得ようとするときに非常に有用です。と言っても、現在のパソコンと同じ利用法であれば、携帯電話でも可能かもしれません。しかし、近い将来、街を歩いていると必要な情報がその場でリアルタイムに配信される「街角情報配信」が当たり前になると、ポケットから出し、手で持ってディスプレイを見なければならない携帯電話では必ず不便と感じるようになるはずです。
ウェアラブル社会実現への課題はファッション性
ウェアラブルコンピュータは、まさしく「着る」コンピュータですから、課題となってくるのがファッション性です。さまざまな形態がありますが、例えばコンピュータ本体を腰に装着し、頭部のヘッドマウントディスプレイ(=HMD)で画像を見ることもできます。このスタイルも作業現場と街で使うものとでは違ってくるはずです。汗をかいても蒸れないなどの機能性はもちろんのことですが、街ではかっこ良くないと身に着けたくないでしょう。ですから、開発にはファッションデザイナーなど他分野とのコラボが必要不可欠です。
おそらくファッション面の課題がクリアされれば、ウェアラブルコンピュータは一気に広まるでしょう。現在の携帯電話のように、あなたの生活に定着するはずです。
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先生情報 / 大学情報
神戸大学 工学部 電気電子工学科 教授 塚本 昌彦 先生
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