作曲や舞台の経験が、音楽の楽しさや表現を伝える力になる!
作曲は誰でもできる!?
「作曲は才能がないと難しい」と思う人も多いでしょう。でも実は、基本をマスターすれば誰でも作曲できます。特に今は、作曲ソフトや楽譜をつくるアプリなど、便利なアイテムも利用可能です。
ただ、やみくもにつくってもよい音楽はできません。童謡など国や時代を超えて歌い継がれるような曲には、口ずさみやすいメロディーや、歌いやすい歌詞があります。こうした法則をベースに、アレンジしたり、音を重ねたりすることでオリジナル曲をつくれるようになるのです。作曲は音楽における最大の表現法であり、音楽の楽しさも増すのです。
音楽教育で求められる思考力や表現力の育成
音楽の楽しさを、教育の場でどのように伝えればいいのでしょう。新学習指導要領をみると、音楽づくりにおける思考力や表現力などの育成が求められています。ここに、「言葉で音楽をとらえて表現すること」も含まれます。
例えば「感傷的な歌詞だから、ピアニッシモにしている」とか、「情熱を表現したいから、クレッシェンドにする」などと、音を言葉でとらえると、音楽への理解が深まります。今は、そうした表現法も求められているのです。自分の思いや意図を、音や言葉に置き換える作業でもある作曲は、表現の楽しさを伝えることにもつながります。
ケースメソッドで音楽教育を実践
音楽表現の学びを教育に結びつけるには、実際には体験していないことを、疑似体験をすることで解決していく「ケースメソッド」が有効です。園児に向けて紙芝居をするなら、自分で作った楽曲とともにシアター風に見せることもできます。小学校では、舞台やミュージカルの構成を考慮しながら作曲や衣装を考え、演出も行います。数人のグループで行動するので、コミュニケーション力やチームワーク力といったスキルも身につきます。音楽教育の喜びも体感できるでしょう。
このように作曲のスキルを得ることや、舞台演出を通じて、音楽への理解を深めることで、音楽教育における表現も豊かになるのです。
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先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 教育学部 子ども発達学科 准教授 渡邉 康 先生
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