求められる「教師力」育成 「おもしろく、力がつく」授業と信頼関係

「おもしろく、力がつく」授業
教師の仕事の中心は「授業づくり(授業経営)」と「学級づくり(学級経営)」です。授業づくり(特に小学校)では、子どもにとって「おもしろい」ことが重要で、子どもの興味関心や、知的好奇心を高め、主体的な学びを促進させます。そして「力がつく」も重要で、「わかった」「できた」が実感でき、充実感や達成感、自信を持てる授業です。「力はつくけれどおもしろくない」のは修行、「おもしろいけれど力がつかない」のはその場限りのお遊び、そして「おもしろくもなく力もつかない」となれば、それは時間つぶしになってしまいます。
学級づくりでは、一人一人が自己実現し、協力し合い高め合えるクラスをつくることが重要です。それには日頃から子ども一人一人の状況を見取り、思いを聞き、尊重する姿勢や、教師と子ども達の対等な人間同士としての信頼関係構築も教師力の一つです。
「教師力」をつけるために
では、どうすれば教師力がつくのでしょうか? そのプロセスを「教師力=(知識+意識+感性)×思考×行動×積み重ね・省察」という公式と捉えます。教科や教育学などの「知識」、指導や関わりのねらいや内容、方法や手立ての「意識」、子どもの状況や心情を察知する「感性」、それらを発揮しながら日々考え、行動し、結果を振り返り省察しながら積み重ねていくのです。「地道に、毎日少しずつ」が教師力の確実な向上につながります。
大切にしたい、人との関わりの中での学び
オンライン学習が学校教育に取り入れられるようになりましたが、本来の学校の意義は子どもたちが人の間でさまざまな経験をしながら学べる「集団の学び」であることが大きいです。ICTを用いた学習の良さを取り入れつつ、学校全体で子どもたちを育てるという環境もなくすことはできません。
またすべての子どもが学級担任と相性ピッタリ、というわけではありません。子どもが相談できる相手は担任でなくてもよく、「全教職員が全校の子どもたちの担任」という連携・協力の環境・体制やチーム力が重要です。
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帝京平成大学健康医療スポーツ学部 柔道整復学科 トレーナー・柔道整復コース 教授佐瀬 一生 先生
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