未来を知り、どんな社会をつくるかを構想・表現するアートサイエンス
科学や先端技術を用いて表現する
アートサイエンスと聞いて、あなたは何をイメージするでしょうか。アートは芸術であり、何らかのメッセージを伝えるものです。サイエンスやテクノロジーはどんどん進化し、アートを表現する手法にもなります。
アートサイエンスは、未来に向けて人々が気づきを得て対処できるよう、ロボットやAI、VR、ARといった先端技術を活用して、新しい社会を表現する役割も果たすものです。ちなみに、VRとは人工的に作り出した仮想現実のこと、ARとは現実空間に付加情報を表示させる拡張現実のことをいいます。
最新技術で会話もスムーズになる
近い将来、メタバース空間でアバターを使ってコミュニケーションすることも日常的なことになるでしょう。吃音(きつおん)がある人や、人と会話することが苦手な人が、こうした空間ならコミュニケーションしやすくなることが実験によってわかっています。スムーズな会話を経験したことで、その後に対面で会話しても緊張や吃音が減るという傾向もみられました。今は、怒りなどの感情はそのままぶつけがちですが、AIを活用することで、実際には怒り口調でも相手には感情を柔らかく表現できます。
かつてガラケーからスマホに変わったように、いずれスマホがなくなり、メガネ型などの新しいデバイスになるでしょう。すると、実際には離れていても、まるで隣にその人がいるような感覚で何かをしたり、会話したりと、時間や空間を超える時代がやってきます。
未来は今よりも人が生づらさをなくす社会へ
こうした開発には、人間工学や脳科学、心理学といった分野の検証も不可欠です。無意識に相手に合わせて話し方を変えるといった、人が何をどう感じて行動し、心理に作用するのかを考慮して開発していきます。それによって生きにくさを感じている部分を技術でうまくコントロールできるようになると、その人本来の能力を発揮できる社会へと近づけるはずです。
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