フランチャイズにまつわる法律問題
フランチャイズ契約ってどんな契約?
日本でコンビニエンスストアなどを運営するときは、一般的に本部と加盟店オーナーによるフランチャイズ契約が必要です。契約を結んだ後は、本部が営業のためのノウハウ提供や経営支援などを行います。本部にとっては短時間での店舗展開ができるというメリットがあり、同時に加盟店側には商売の経験がなくても開業できるなどのメリットがあります。フランチャイズは今から半世紀以上前にアメリカから伝わった後、コンビニを筆頭に急速に発展していき、現在では25兆円以上の経済規模を有し、我が国の経済にとって不可欠な存在になりました。しかし、同時にさまざまな法的問題も生み出しています。
バイトテロ発生! 不法行為に基づく損害賠償責任
SNS上で大炎上し、世間をにぎわせた「バイトテロ」。バイトテロとは、アルバイトの従業員が、お店の商品や設備を使って悪ふざけをした様子を、スマートフォンなどを使って撮影してSNSに投稿することです。このような行為がなされると、お店の信用が低下する上、設備などの交換費用といった「損害」が発生します。バイトテロに対して、被害者であるお店側は、加害者であるアルバイト従業員に対して、民法709条の不法行為責任を追及し、発生した損害の賠償を求めることができます。
コンビニの24時間営業―その恩恵と弊害
当たり前のように定着しているコンビニの24時間営業。しかし、その裏側にはコンビニのオーナーさんの過酷な労働環境があります。オーナーさんの中には何年も休みなく働いている方や、過労死してしまった方もいます。「いつでも開いている」という便利さの裏にある、こうしたオーナーさんの過酷な労働環境に注目が集まりました。マスコミでも盛んに報道され、中には独自に「時短営業」を始めたオーナーさんもいます。そのような中、ついに公正取引員会が、24時間営業の強制は独占禁止法違反になり得るとの報告書をまとめました。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
白鴎大学 法学部 法律学科 准教授 矢島 秀和 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
法学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?