講義No.10577 法学

フランチャイズにまつわる法律問題

フランチャイズにまつわる法律問題

フランチャイズ契約ってどんな契約?

日本でコンビニエンスストアなどを運営するときは、一般的に本部と加盟店オーナーによるフランチャイズ契約が必要です。契約を結んだ後は、本部が営業のためのノウハウ提供や経営支援などを行います。本部にとっては短時間での店舗展開ができるというメリットがあり、同時に加盟店側には商売の経験がなくても開業できるなどのメリットがあります。フランチャイズは今から半世紀以上前にアメリカから伝わった後、コンビニを筆頭に急速に発展していき、現在では25兆円以上の経済規模を有し、我が国の経済にとって不可欠な存在になりました。しかし、同時にさまざまな法的問題も生み出しています。

バイトテロ発生! 不法行為に基づく損害賠償責任

SNS上で大炎上し、世間をにぎわせた「バイトテロ」。バイトテロとは、アルバイトの従業員が、お店の商品や設備を使って悪ふざけをした様子を、スマートフォンなどを使って撮影してSNSに投稿することです。このような行為がなされると、お店の信用が低下する上、設備などの交換費用といった「損害」が発生します。バイトテロに対して、被害者であるお店側は、加害者であるアルバイト従業員に対して、民法709条の不法行為責任を追及し、発生した損害の賠償を求めることができます。

コンビニの24時間営業―その恩恵と弊害

当たり前のように定着しているコンビニの24時間営業。しかし、その裏側にはコンビニのオーナーさんの過酷な労働環境があります。オーナーさんの中には何年も休みなく働いている方や、過労死してしまった方もいます。「いつでも開いている」という便利さの裏にある、こうしたオーナーさんの過酷な労働環境に注目が集まりました。マスコミでも盛んに報道され、中には独自に「時短営業」を始めたオーナーさんもいます。そのような中、ついに公正取引員会が、24時間営業の強制は独占禁止法違反になり得るとの報告書をまとめました。

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白鴎大学 法学部 法律学科 准教授 矢島 秀和 先生

白鴎大学 法学部 法律学科 准教授 矢島 秀和 先生

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メッセージ

日々の新聞やニュースなどから、社会問題に対して「なぜこうなったのか」「この人はなぜそう考えているのか」などの疑問を持ちましょう。さらに疑問に対し自分なりに考えてみることも心がけてほしいです。答えが正しいかどうかは二の次でかまいません。
高校までの勉強は、教科書に記載された内容を覚えることが求められたと思います。しかし大学では、授業の内容そのものに疑問を持ってもいいのです。疑問を持てば勉強が楽しくなるので、「なぜ」と思う気持ちと自分の意見を大切にしてください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

白鴎大学に関心を持ったあなたは

白鴎大学は実学重視の3学部を設置しています。経営学部は将来の目標に合わせて3コース「法務」「公共政策」「企業」を設置。法学部は法的な視点から思考力を磨くことができる5コース(市民・司法・行政・企業・国際)を設置。教育学部は人間の成長や発達の過程を4専攻(児童教育・スポーツ健康・英語教育・心理学)で多角的に学びます。2018年にはJR「小山」駅東口に新棟と体育館が完成。経営学部と法学部の学生が学ぶほか、図書館と学食は一般も利用できる地域に開かれた大学です。