日本の味は海外でも大人気! 外食産業の海外進出を考える
海外進出するチェーン店が増えている
日本の外食企業の海外進出、国際化が加速しています。企業の海外進出については、かつての製造業だけではなく、2000年代に入ってからはサービス産業、小売業、外食産業についても盛んに研究されるようになりました。このうち外食産業については、現地法人とフランチャイズ契約をして多店舗を展開する企業などが増えたことから、より複雑で高度なマーケティングやマネジメントの観点から調査や研究が進められるようになっています。
豚骨ラーメン人気で海外に700店舗以上!
外食産業の海外進出が増えた背景には国内需要だけでは限界があるのはもちろん、味や品質が海外でも高い評価を受けていることがあります。なかには国内は約70店舗であるのに対して、中国を中心に700店舗以上を海外展開している豚骨ラーメン店もあります。
海外進出にあたっては、進出先の食文化などに事前のリサーチが必要です。特に食肉については宗教の影響が大きいため、海産物や鶏肉でメニュー開発をしている例が目立ちます。ほかにも、たくさんの料理を注文して食べる中国の食文化にマッチしてヒットしているイタリアンレストランチェーン、鮮度の良い卵を使ったクリームが高品質だと人気を獲得しているシュークリーム店などの例があります。
海外で多店舗展開の課題とは
フードチェーンが進出先で多店舗展開する場合には、食材調達のマネジメントやオペレーションシステムの構築などが重要です。このようなチェーンマネジメント体制を確立しないまま進出し、撤退を強いられた企業もあります。うまくいっている例では、台湾を中心に300店舗以上を海外展開しているファストフードチェーンが、先に整備されていたコンビニエンスストアの物流インフラを活用したケースもあります。
今後も外食産業の国際化は進むことが予想されます。企業への聞き取りや現地調査を通して、海外進出についての課題や、より良い発展について検証していく必要があります。
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愛知学院大学 商学部 商学科 講師 李 素煕 先生
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