点字ブロックがしゃべる!? AI機能でみんなにやさしい社会へ
誰もが点字ブロック利用者に
視覚障がい者の歩行を助ける点字ブロックは、今や世界各地で利用されていますが、これは50年以上前に日本で生まれたものです。街を歩くと当たり前のように見掛けますが、現実には存在感が薄く、点字ブロックの上に自転車が置かれたり、人が並んだりしているのが現状です。しかし、点字ブロックを情報ツールとして多くの人が利用するようになれば、存在意義が再認識され、扱いは変わるかもしれません。現在、点字ブロックにAI(人工知能)機能をプラスした「コード化点字ブロック」の開発が進んでいます。点字ブロックにスマホをかざすだけで、道案内などの音声案内が聞けるという「しゃべる点字ブロック」です。
スマホに届く情報を音声で案内
仕組みは簡単です。ブロックの丸い点ごとに数字を割り振ってコード化し、点字ブロックに黒い三角形や丸などの印を付けます。専用スマホアプリでそれらを読み取ると、コードがサーバーに送られ、サーバーからスマホに情報が入り、案内の声が出るという仕組みです。1ブロック当たり、組み合わせパターンは3000万以上になります。ですから方向を変えてスマホをかざすと、それぞれ見ている方向に合わせた「右」や「左」の案内に対応できるなど、さまざまな需要に即した情報が提供できます。観光情報や英語での音声案内も流せますし、災害時には避難所の情報なども提供します。すでに金沢市内では70カ所以上にコード化点字ブロックが置かれています。
観光客の情報ツールとしても期待
このように、AIにはよりよい社会づくりへの貢献も期待されています。多言語に対応できるようになれば、外国人観光客にとって便利な情報ツールとなり、観光客誘致のきっかけとして役立つ期待も高まります。まだまだ開発は続きますが、大事なのはユーザー目線です。点字ブロック関連の情報サービスを一つのアプリに統一するなど、さらに踏み込んだ開発が求められています。
参考資料
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金沢工業大学 情報理工学部 知能情報システム学科 ※2025年4月開設 教授 松井 くにお 先生
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