実社会の課題を数理モデルとアルゴリズムで解決する!
アルゴリズムで社会的課題も解決できる
生活や企業活動から生まれるさまざまな社会的課題も、情報を工学的に扱うことで解決できます。その手法として用いるのが、組み合わせ論や集合論といった離散数学を中心とした理論と、最適化アルゴリズムです。アルゴリズムとは、処理の手順や計算方法のことです。現実にある課題を数理モデルとして構造化してとらえ、その構造に適したアルゴリズムを使って分析することで解決策を見出すのです。
バスの経路の最適化やプログラムの安全性に貢献
例えば、施設の移転や道路の増設などにより、バスの経路を変更するケースを考えてみましょう。最適なルートを探るために、まず交差点や施設などを点ととらえて図形化し、町の状態を数理モデルに表します。そして重要な施設を回る、効率のよいルートにするといった条件を設定し、アルゴリズムを使って最適なルートを導き出すのです。
こうした「数理モデルと最適化アルゴリズム」は、膨大な情報処理が必要となるプログラムの開発においても活用できます。実際に運用する前に、プログラムが正しいか、バグが発生しないかといったことを数学的に証明すれば、初めから安心して運用できるようになります。すでに運用しているプログラムも、バグが存在しているか否かを解析、検証することが可能です。特に、医療や航空、原子力といった生命に関わる分野で有効活用できるでしょう。
目に見えない情報をカタチにする工学
目に見える形にすることもものづくりですが、情報といった分野で「目に見えないもの」をカタチにすることもものづくりのひとつです。
現状を詳しく分析して関係性を解析するには、どのような数理モデルがよいか、課題に対し最適な結論を導くにはどのようなアルゴリズムがよいかを検討します。さらに、時間や予算、状況といった現実をふまえて実現化していきます。この手法が確立すれば、企業や地域の幅広い分野で活用でき、社会生活の向上に大いに貢献できるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
三重大学 工学部 総合工学科情報工学コース 講師 山田 俊行 先生
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