これであなたも運動が得意に 動作解析で競技力アップ!

これであなたも運動が得意に 動作解析で競技力アップ!

関節の動きを解析

優れたスポーツ選手の動作を解析してモデル化し、スポーツの競技力向上や指導に役立てる研究が行われています。
人の動きとは、関節運動の集合体です。そこでまず、モーションキャプチャという姿勢計測装置を用いて関節の動きを解析します。関節の中心につけたマーカーをカメラで追い、関節の角度や角速度、重心の移動など、上級者の動きを具体的な数値としてコンピュータでデータ化します。ただし、オリンピックで金メダルを取るようなトップアスリートの動きは個別性が高く、そういった個別の動きはモデル化に適しません。しかし、トップアスリートに共通する基本的な動きを見つけ出してモデル化すれば、技術の向上に役立つと期待されます。

筋肉の動きを解析

モーションキャプチャでは、関節の動きは解析できますが力の入れ方まではわからないため、筋電図や脳波の計測も行います。筋肉に電極を付けた状態で被験者に運動してもらい、筋肉を動かすために脳から発せられた電気信号を計測して、記録したものが筋電図です。筋電図から、動きのどのタイミングでどのくらいの力がどの筋肉から出ているかということが客観的にわかります。また、計測した脳波は周波数に変換して観察します。例えば、β波と呼ばれる周波数の脳波が観測されれば、脳が運動を意識して興奮状態にあり、筋肉を動かす命令を出していることがわかります。

簡単な動作ですぐにレベルをチェック

さらに、素振りなどの簡単な動作から競技の技術レベルを評価する取り組みも行われています。上手な人と下手な人のモーションキャプチャのデータをたくさん重ね合わせると、両者の動きのどこが違うのかがわかるので、その動作を指標とした客観的な評価や指導が可能です。
今後さらに簡単な動作で技術を評価するシステムを開発し、アプリなどですぐにフィードバックできれば、より楽しく競技力の向上が図れるでしょう。学校の体育や部活動にも活用できると期待されます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

関東学院大学 理工学部 健康科学・テクノロジーコース 教授 高橋 健太郎 先生

関東学院大学 理工学部 健康科学・テクノロジーコース 教授 高橋 健太郎 先生

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身体動作学

メッセージ

例えばホームランが打てない場合、ただ練習すれば打てると考えるのではなく、打てる人はどのような動作をし、どのような思考を持っているのか、深く切り込んで考えてみましょう。スポーツが上手な人はほかの人と比べてどこが違うのか、大谷翔平選手はどこがすごいのか、自分の中で客観的に理論づけてみてください。ものごとを客観的に見る習慣は、身体運動に限らずいろいろな研究に通じるものなので、ぜひ身につけてほしいです。そして、身体運動の解析に興味があるなら、ぜひ一緒に研究しましょう。

関東学院大学に関心を持ったあなたは

1884年(明治17年)、関東学院は横浜山手に神学校として創立されました。長い歴史と伝統をもつ関東学院はキリスト教の優れた思想、芸術、奉仕の精神を礎に、校訓「人になれ 奉仕せよ」のもと広く世の中に貢献できる学問・知識を身につけた有能な人材の育成を目指してきました。現在では、文理にわたる学部を擁する総合大学へと発展。伝統に裏打ちされたキャンパスライフサポート、学修サポート、キャリアサポートの3つのサポート体制で学生一人一人に合わせた支援をこれからも行っていきます。