講義No.10995 教育

授業って何だろう? 〜双方向のコミュニケーションこそ学校教育〜

授業って何だろう? 〜双方向のコミュニケーションこそ学校教育〜

よりよい授業を構築するための研究

教育学の中でも、学校教育において、各教科の授業をどのように行っていくべきかを研究する学問を「教科教育学」と呼びます。例えば家庭科では、ジェンダーの視点も重視しながら考えます。目的とするのは、「よりよい授業を創っていくこと」ですが、そのためには、さまざまなプロセスがあります。例えば、教師から生徒へどんな発問(問いかけ)をすれば、生徒の理解が深まるか、というテーマについて、実際の授業でのやりとりを文書に書き起こし「談話分析」などの手法を用いて、質的に分析・考察していきます。

同じ授業はない! 授業はライブだ!

相手が人間である以上、授業のたびに生徒が違えばクラスの雰囲気や学習の到達状況も違うため、同じ授業は二度と繰り返されません。つまり、唯一の「理想の授業のパッケージ」というものは存在しないのです。また、授業とは一方的に知識を伝達するだけのものではなく、生徒とのコミュニケーションであり対話なので、「授業とはライブである」とも言えます。ただしそこに、理論をベースとして実践を行うことで「理論と実践の往還」ができ、個別の課題だったものを一般化するアプローチも可能になっていきます。

新しい時代の新しい授業の形

本来「相手と時間と空間を共有すること」が授業における大切な条件でした。しかしコロナ禍によって、授業の手法も大きな変化を余儀なくされました。不自由な部分もありますが、オンライン授業などが発達することによって、ICT(情報通信技術)の可能性の大きさが再認識されました。
授業では、どういうツールを使用するかということも重要な要素です。ツールの発達や社会情勢の変化によって、授業のあり方も変化していきます。授業内容の大筋は、文部科学省の定めた「学習指導要領」を踏まえた形で取り上げられますが、具体的な授業方法は、教師がそれぞれ、時代に即した効果的な方法を模索する必要があります。教師はとてもクリエイティブであり、双方向性のある仕事だと言えるでしょう。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

横浜国立大学 教育学部 学校教員養成課程 教授 堀内 かおる 先生

横浜国立大学 教育学部 学校教員養成課程 教授 堀内 かおる 先生

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教科教育学、教師教育学

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校生のあなたは、いろいろな選択肢が目の前にあり、これからさまざまな可能性にむかって、人生を切り開いていくところだと思います。あなたは、現在に至るまでの間に、あなたにどういう人になってほしいかという、多くの大人たちの思いや願いの込められた教育を受けてきました。
教師とは、成長の途中にある子どもたちに夢を託す仕事だと思います。夢を託しながら、その子たちの成長を見守り支援し続けていくことができる、とてもすてきな仕事ですので、ぜひ、教育について学ぶ教育学部に来てください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

横浜国立大学に関心を持ったあなたは

横浜国立大学は、高い国際性と実践的な学問を尊重し、社会に開かれた大学をめざします。全学部の学生がひとつのキャンパスで学び、学部の垣根を越えた交流ができ、国立大学には数少ない経営学部も置かれています。新しい潮流を起こして21世紀の人類社会に貢献できるよう、社会からの要請を的確に把握し、国民から委ねられた資源を有効に活用しつつその活動を開放し、社会の期待に応えます。