講義No.13689 音楽 教育

音楽と社会をつなぐ「キャリアパス」、そこに夢を!

音楽と社会をつなぐ「キャリアパス」、そこに夢を!

音楽に関わる仕事の多様性

音楽は、普遍的な、なくてはならないアートだと言えます。その音楽における「キャリアパス」とは、将来音楽にどのように関わっていくか、目標への道筋を考えるキャリアデザインであり、目標が決まれば、何を身につけていけばよいのかも見えてきます。音楽に関わる職業というと、演奏家や音楽教師を思い浮かべやすいのですが、実際にはもっと幅広い活動の場があります。例えば、音楽ビジネスでコンサートのプロデュースをする、音響を担当する、行政の文化財団などに就職して地域社会と音楽を結ぶ、あるいは幼児教育から生涯教育、音楽療法までさまざまな場で音楽をマネジメントする、などが挙げられます。

技術や知識と、進むべき方向性

音楽と関わって息長く効果的な活動をしていくには、基礎と方向性をしっかり持って社会に出ることが必要です。つまり、演奏能力はもちろん、音楽の歴史や、曲の構成、作曲家の意図、社会背景などを知ったうえで、幅広い活動領域のなかから自分の適性に合ったキャリアを進めていくことです。
例えば小中学校で教える場合は、各校に音楽の教師が1人ということもあり得るので、児童・生徒全員への影響力が非常に大きいと言えるでしょう。みんなで一緒に音楽体験や活動をすると、児童・生徒の協働力や調整力などのヒューマンスキルも育ちます。

クラシックの味を伝えるシェフ

クラシック音楽は国や時代によって味や魅力が違います。教師がそこから一番おいしい「味」を選び出して、かみ砕いた教育プログラムとして「さあ、食べてごらん!」と子どもたちに提供できれば魅力が伝わります。クラシックをベースにキャリアパスを描く教師は、生き生きとした楽しい授業によって子どもたちの感性を育てます。それで音楽が好きになれば、子どもたちの人生も豊かになるでしょう。オーケストラの指揮者がコース料理を提供するシェフに例えられるように、専門的で印象的な授業を組み立てて、音楽の本当の「味」を伝えることができるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

神戸女学院大学 音楽学部 音楽学科 音楽キャリアデザイン専攻 准教授 松浦 修 先生

神戸女学院大学 音楽学部 音楽学科 音楽キャリアデザイン専攻 准教授 松浦 修 先生

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音楽教育学

メッセージ

高校生のあなたには、夢を持ってほしいです。私自身、音楽が好きで、その分野で仕事ができる人生を幸せだと感じています。ありきたりな言い方かもしれませんが、音楽をやりたいという夢を持っているのなら、夢をあきらめないでください。そして、目標に向けて頑張ってほしいです。演奏家になることだけが、音楽の仕事ではありません。音楽教師の他、もっともっと幅広い活躍の場があります。将来音楽とどう関わるにしても、大学で音楽の本質的な価値や魅力、「味わい」を自ら知ることが将来の支えになります。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

神戸女学院大学に関心を持ったあなたは

創立150年を迎える神戸女学院大学。徹底した少人数教育で、授業の7割が20人以下で行われ、学生と教員の距離が近く双方向で質問のしやすい環境が特長です。また、リベラルアーツのカリキュラムで実技を含む他学科の専門分野の科目を多く履修することができ、自由な学びが展開できます。「就職に強い!神戸女学院」として、人気の航空業界をはじめ、マスコミ、製造、各業界に多くの卒業生を輩出しています。2024年には国際学部と心理学部が開設され、2025年には生命環境学部※が新しくSTART!(※仮称・設置構想中)