音楽と社会をつなぐ「キャリアパス」、そこに夢を!
音楽に関わる仕事の多様性
音楽は、普遍的な、なくてはならないアートだと言えます。その音楽における「キャリアパス」とは、将来音楽にどのように関わっていくか、目標への道筋を考えるキャリアデザインであり、目標が決まれば、何を身につけていけばよいのかも見えてきます。音楽に関わる職業というと、演奏家や音楽教師を思い浮かべやすいのですが、実際にはもっと幅広い活動の場があります。例えば、音楽ビジネスでコンサートのプロデュースをする、音響を担当する、行政の文化財団などに就職して地域社会と音楽を結ぶ、あるいは幼児教育から生涯教育、音楽療法までさまざまな場で音楽をマネジメントする、などが挙げられます。
技術や知識と、進むべき方向性
音楽と関わって息長く効果的な活動をしていくには、基礎と方向性をしっかり持って社会に出ることが必要です。つまり、演奏能力はもちろん、音楽の歴史や、曲の構成、作曲家の意図、社会背景などを知ったうえで、幅広い活動領域のなかから自分の適性に合ったキャリアを進めていくことです。
例えば小中学校で教える場合は、各校に音楽の教師が1人ということもあり得るので、児童・生徒全員への影響力が非常に大きいと言えるでしょう。みんなで一緒に音楽体験や活動をすると、児童・生徒の協働力や調整力などのヒューマンスキルも育ちます。
クラシックの味を伝えるシェフ
クラシック音楽は国や時代によって味や魅力が違います。教師がそこから一番おいしい「味」を選び出して、かみ砕いた教育プログラムとして「さあ、食べてごらん!」と子どもたちに提供できれば魅力が伝わります。クラシックをベースにキャリアパスを描く教師は、生き生きとした楽しい授業によって子どもたちの感性を育てます。それで音楽が好きになれば、子どもたちの人生も豊かになるでしょう。オーケストラの指揮者がコース料理を提供するシェフに例えられるように、専門的で印象的な授業を組み立てて、音楽の本当の「味」を伝えることができるのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
神戸女学院大学 音楽学部 音楽学科 音楽キャリアデザイン専攻 准教授 松浦 修 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
音楽教育学先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?