認められたい若者たち
わたしをみて!
携帯電話やパソコンを使って、インターネット上に自分のプロフィールなどを載せたことがありますか。そのような通信機器を使えば、日本中、いや世界中の人に自分のプロフィールや日記を公開することができます。そして、いま多くの若者がインターネットを使って、自分という人間を表現しようとしています。こういった動きは、「他者に認められたい」という強い欲求を持っていることに起因していると考えられます。
承認欲求と呼ばれるこのような欲求が若者の間で高まった原因として、大人と関わる機会が減ったことが挙げられます。かつては、近所の人たちと話し、相談する機会がありました。そうやって多くの大人と触れ合うことで、自分という存在が認められるということを実感することができたのです。
さまざまな大人の、いろいろな価値観に出会う
現在では、親と教師、この2種類の大人としか接する機会のない中高生が少なくないでしょう。このような環境では、もし、親や教師が自分の存在や価値観を認めてくれなかった場合、拠り所を失ってしまいます。いまやインターネット上のブログやプロフィールが、自分の表現や価値観を認めてもらいたいという欲求のはけ口となっているのです。
大人と接する機会を増やすことは、多くの若者が無意識に求めていることと言えます。そういった機会を得るために、アルバイトをするのもひとつの手です。アルバイトとして社会人の中に混ざることで、家庭や学校とは異なる環境に身を置くことができます。そこには店長やチーフ、板長など、いろいろな種類の大人と接する機会があります。たとえ自分の価値観が、両親や教師に認められなくても、それがアルバイト先で出会う大人たちに受け入れてもらえるかもしれません。
狭い環境で特定の大人とだけ接するのではなく、子どもの頃から、すでに社会にいる多くの大人たちと接し、人の価値観は十人十色であるということを認識できるようになれば、きっと自分の価値観やアイデンティティに自信が持てるようになります。
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