振動による伝達で運転時の状況を直感的に判断

振動による伝達で運転時の状況を直感的に判断

視覚・聴覚以外に情報を伝達する方法とは

車を運転するとき、人は多くの情報を受け取っています。周囲の状況やスピードメーター、カーナビゲーションなど、そのほとんどは視覚に伝えられる情報です。音による情報伝達もありますが、音声案内ではどうしても伝達時間が長くなってしまうため、警告音を鳴らして画面表示するというように、結局視覚から伝えることが多くなります。情報が視覚ばかりに集中してしまうことで、よそ見の原因となり事故にもつながっています。
そこで、触覚に対し、振動を使って情報を伝達する方法を研究しています。

座面の振動で運転者に情報を伝える

運転する人の姿勢の違いにできるだけ左右されないよう、背もたれではなく座面を振動させます。例えば、右後方から車が接近していれば座面の右後ろを、車線を左に逸脱しそうになったときには座面の左側を振動させて運転者に注意を促します。振動の強弱や種類、パターンを変えることで、接近してくるのが車なのかバイクなのか、またどのくらい離れているのかなどの情報を伝えることも可能です。運転者が直感的に、瞬時に状況を判断できることが理想です。
また、カーナビの音声に従って運転していても曲がる場所を間違えることはよくあります。音声の指示に振動を連動させることで、曲がるタイミングや距離感がよりわかりやすくなるでしょう。

直感的な伝達方法をめざす

使い勝手については、実際に振動機器を備えた車に多くの人に乗ってもらい、山道や高速道路、砂利道などさまざまな条件での走行についてアンケート調査を行います。その結果、画像や音による従来の伝達方法に振動を加えることでより早く情報を認識できることや、車体が振動する砂利道でも十分機能することがわかってきました。アンケートをもとにわかりやすい振動の仕方をフィードバックし、改良が重ねられています。最終的には振動にこだわらず、「肌で感じられる」ような、人間の直感に伝えられる伝達方法の開発を目標としています。

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岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 ソフトウェア情報学科 コンピュータ工学コース 准教授 鈴木 彰真 先生

岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 ソフトウェア情報学科 コンピュータ工学コース 准教授 鈴木 彰真 先生

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将来、AIやロボティクスの進歩で単純作業はなくなるといわれています。そのような環境で必要とされるのは、自分にしかできないようなオリジナリティを持つことだと思います。常にいろいろな方向に好奇心をもって、興味の持てることを探してみてください。そして興味のあることや好きなことが見つかったら、周りの人に影響されることなく、こだわりをもってそれをとことん突き詰めてください。それが個性につながっていくでしょう。その分野でのオンリーワンをめざしてほしいです。

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