スマホやパソコンを使って障害のある人の生活を便利に
障害者を助けるIT機器
身体に障害のある人が自分の意思や気持ちを周囲に伝え、勉強や仕事、趣味を楽しむために、IT機器を使ったサポートが活躍しています。元をたどると1980年代ごろから、身体を動かすことが難しい障害者や高齢者のため、機械や義肢を開発し、社会参加などに役立てる「福祉支援工学」という分野が盛んとなっていました。さらに、一般家庭にもコンピュータが普及し始めた2000年頃からは、パソコンなどを取り入れた障害者サポートの研究が進んでいきます。スマホやタブレットが普及すると、持ち運びがしやすくなり、気軽にサポート機能を使うことができるようになりました。
「使いこなせない」という思いをぬぐう
一方で、IT機器というだけで本人や周囲の支援者が「難しいから使いこなせない」「繊細な機械だから壊してしまうのでは」などの恐れを抱き、せっかく導入してもほとんど使われないままになってしまうケースもあります。確かに、サポート機器を使い始める頃は、使用する人それぞれに合わせた微調整や操作方法を覚えることへの難しさはあります。また、スマホやパソコンに標準機能として搭載されている支援機能を知らないということもあります。そのため、支援技術を学ぶことで、障害のある人や周囲の人たちにとっても大きな助けになってくれるでしょう。
IT機器の操作を通し、生活をしやすく
ある病院では、身体をほとんど動かすことができない患者へ、スイッチを押すだけでパソコンの操作ができる機器が導入されました。使い始めには苦労もありましたが、その機器を使い始めたことで、患者はいちいち看護師を呼ぶことなく自分でインターネットやテレビ、ゲームを楽しめるようになりました。患者がいきいきと生活できるようになったことで、病院側にもサポート機器への重要性が浸透していきました。障害者がコミュニケーションの手段のひとつとして機器を気軽に使えるようになるためにも「何の意味があるか」「どうして機器が欠かせないのか」ということを広めていくことが大切です。
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先生情報 / 大学情報
東北福祉大学 現:総合マネジメント学部 情報福祉マネジメント学科 共生まちづくり学部共生まちづくり学科 ※2025年4月開設 講師 高橋 俊史 先生
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