「本物に見える」「現場にいる臨場感がある」未体験の映像を追い求め
本物に見える映像は感動を与える
「本物と間違うくらいリアル」「まるでそこにいるかのように感じる」と思える映像を見ると、人は感動を覚えます。そのような「臨場感がある映像」を見たいという人の好奇心が、ヘッドマウント型ディスプレイでのVRゲームや、別世界にいるようなAR映像、空中に浮かぶ3D映像など、さまざまな映像技術を発展させてきました。このような技術は、リアルさが必要とされる場面、例えば映像を見ながら行う遠隔手術など、医療分野でも求められています。
立体映像を生み出すさまざまな技術
この「臨場感」を生み出す要素の一つが「立体に見えること」です。特殊な眼鏡をかけると画面から飛び出してくるように見える映画が話題になりますが、そのほかにもたくさんの技術があります。
例えばホログラフィという手法があります。干渉性のある光で干渉縞を作成・記録して、記録したものを使って再生するという技術で究極の立体方式と言われています。これを動画化しようという取り組みもされています。また、「アーク3D」という手法があります。薄い透明の板に円弧上の傷をつけ、そこに光を当てると、方向性のある散乱が起きる現象を利用して、立体的な像が空中に浮かび上がって見える技術です。この透明板を円錐や円筒に丸めて応用範囲を広げようという研究もあります。
プライバシーやセキュリティへの配慮
こうした映像研究の今後を見据えて、プライバシー保護、セキュリティ保護の技術も研究されています。
例えば高解像度カメラで撮影した映像では、たまたま映り込んだ人の顔まではっきりわかります。顔にぼかしをかけるなどの方法で配慮しても、不自然な映像になるデメリットがあります。そこで、撮影対象以外の顔を自動的に認識して、他の合成した顔などと差し替える技術が研究されています。また、スマートフォンが横からのぞき込まれたり、盗撮されたりするのを防ぐよう、真正面からしか見えない技術なども研究されています。
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徳島大学 理工学部 理工学科 光システムコース 教授 山本 健詞 先生
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