その抗酸化サプリメント、ちょっと待った
「活性酸素」をネット検索してみると
インターネットで「活性酸素」と検索すると、膨大な情報が見つかります。活性酸素は、有酸素呼吸でエネルギー生産を行うATP 回路で主に発生する物質として知られ、過剰に生成した、もしくは消去しきれなかったある種の活性酸素ががんや生活習慣病などの原因になるとされています。
昨今の健康ブームとあいまって、この活性酸素の働きを抑えると言われる物質が次々と登場していますが、実際のところ、これらの市販されているサプリメントや健康食品やカラダによいとされる食品に関して、その効果について疑問符が付くものが多いということが、研究で明らかになってきました。
健康食品は不健康食品?
例えば、健康食品で「体内のヒドロキシルラジカル(活性酸素の1つ)を消去します」などのフレーズの広告がありますが、その効果は甚だ怪しいと思われます。というのも、もし体内のヒドロキシルラジカルを消去することを目的に物質を摂取すると仮定すると、体内の濃度は0.1M以上必要になります。しかし、実際のところ、血液中で有効に働く薬物の濃度は、その濃度の何十万分の1以下であり、さらに、そんな高濃度に達するほど吸収される物質は、今まで発見されていないからです。確かに、試験管内ではヒドロキシルラジカルを消去するかもしれませんが、その結果をそのままカラダに当てはめるのは科学的ではありません。
このほかにも、サプリメントの効能書きどおりではないことや、カラダに良いとされていたものが、実はよくないということが、分析技術の向上と新しい角度からの観察結果から、次第に明らかになってきています。
例えば、約3万人の男性喫煙者に5~8年間、毎日20mgのβカロテンを摂取させ、肺がんリスクを調査した結果、βカロテンを摂取したほうが、肺がん発症率が約18%高いという結果も出ています。
この効能はホント?実証できていなものもまだたくさんあるのです。
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