「畳み込みニューラルネットワーク」でAI画像認識をもっと賢く!
AIを変えた新しい技術
自動運転、顔認証システムや監視カメラなど、AI(人工知能)によって画像・映像の中から物体や人間の顔をピックアップして特定したり、映っているものが何かを認識したりする技術が広く使われるようになりました。AIに大量の画像データを与えると、ディープラーニングという手法で自動的に学習して、正確に認識できるようになるのです。
ディープラーニングは、人間の神経細胞で起こっている情報伝達の仕組みを真似た「ニューラルネットワーク」という技術がベースになっています。ここに新しい機能が加わった「畳み込みニューラルネットワーク」という技術が登場したことで、AI画像認識の性能アップと普及が進みました。
誰でもAIが使える時代に
従来は、ニューラルネットワークの前段階として、データの中からどのような特徴を抽出するかを入力として与える必要がありました。つまり、その物体を認識するために注目すべき特徴が色なのか形なのか、といった条件を、専門家がAIに教えていたのです。
しかし、畳み込みニューラルネットワークではそのような条件もAI自身が考えるので、教える工程が必要なくなりました。学習データを集めれば、専門家の手を借りずとも利用できるようになったことから、画像認識の領域で特にAIが普及するようになったのです。
医療分野でも期待されるAI画像処理
現在注目されている研究の一つとして、AIによる画像診断システムがあります。医療機関に蓄積された臓器の画像データをAIに学習させ、医師の診断のサポートができるようなシステムをつくろうというわけです。また、動画編集においては、削除や修正を自動化・効率化する試みも進んでいます。
こうした進歩、普及には、ディープラーニングに必要な大量データを記録する技術とそれらを処理することに耐えうるくらいに、コンピュータの性能が上がってきたという背景もあります。AIによる画像処理の可能性は、今後、ますます広がっていくと考えられています。
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金沢大学 理工学域 電子情報通信学類 准教授 今村 幸祐 先生
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