夢の自動運転自動車を開発せよ!
時速100キロの掃除ロボット?
もしも掃除ロボットが時速100キロで動いたら、それは、目的地を設定すると道路の障害物を避けて、勝手に走行する自動運転の車と同じです。簡単にいうと、自動運転とは「認知する」「判断する」「操作する」という人間の脳が行うことを、コンピュータが代わりに行うシステムのことです。自動運転の車は、センサーで「見て」、人工知能で「考えて」、ハンドルやブレーキなどを「動かす」ので、「移動ロボット」の仲間と考えられるのです。
自動運転はGPSよりもセンサーが大切!
システムの中でもセンサーは特に大切なツールです。道路の形・傾斜・信号・障害物・通行者の動きなど、多くの情報を集めることが必要なので、解像度が高いレーザー光線センサー、動きをとらえるのが得意な電波センサーなど、多種類のセンサーやカメラを組み合わせて用います。道路状況が複雑な市街地よりも、白線に沿って走ればいい高速道路の方が、実用化が早いと考えられるのです。
また、人工衛星から位置情報を得るGPS(全地球測位システム)も使いますが、地震などの地殻変動がおこると実際の道とズレてしまうため、車自体が随時、情報を集めて地図をつくる研究も進められています。
コンピュータに判断できないこと
研究開発では、走行実験をしてデータを取り、解析し、整理して、いかにコンピュータへの指令(プログラム)を見通して改善するかを工夫します。自動運転自動車の実用化への課題は、車に搭載するセンサーがとても高額なことや地図の整備不足、さらにコンピュータが不測の事態を判断できないことです。例えば、工事現場で、警備員によって合図の仕方が異なると、コンピュータは認識することができないのです。
しかし、自動運転が広まれば、高速道路などの遠距離を楽に運転することができますし、公共交通機関がない過疎地の高齢者が病院や買い物に行くことなどが容易になります。自動運転システムは、これから日本の将来に大きく貢献する技術なのです。
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先生情報 / 大学情報
金沢大学 新学術創成研究機構 未来社会創造コア 自動運転ユニット 准教授 菅沼 直樹 先生
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