栄養管理の大切さを上手に伝える管理栄養士の仕事

病院の管理栄養士の役割は？

あなたは病院の管理栄養士と聞くと、どのような仕事を想像しますか？　病院で食事を提供する人、栄養指導をする人などでしょうか。それも正解ですが、ほかにもたくさんの仕事をしています。管理栄養士は主に「物」と「ヒト」の管理をします。「物の管理」とは、適切な栄養価の食事が安全に提供できるように、食材や食事の管理をします。特に食中毒には細心の注意が必要で、NASA（アメリカ航空宇宙局）が考案したHACCP（ハサップ）という食品衛生管理法が導入されています。また「ヒトの管理」では、患者さんの栄養状態に問題がないか、カルテや検査データを把握するとともに、医療スタッフや患者さん、家族などから得られる情報を総合した栄養管理を行います。

専門的な意見交換の能力と適切に伝える技術

近年では、多くの病院で栄養サポートチーム（NST）が組まれ、チーム医療による栄養管理の取り組みが進んでいます。チーム医療は「多職種協働」です。医師や看護師、薬剤師、検査技師などさまざまな医療スタッフと連携し、治療に向けて専門的な意見交換ができる力が求められています。一方で、患者さんや家族に栄養の話をする際には、わかりやすく話す技術や信頼と親しみをあわせ持つ人間性も大切です。

管理栄養士の資質を上げる食体験を

管理栄養士は人と接する職業です。医療スタッフや患者さんなど、相手に応じて適切なコミュニケーションを取る必要があります。そのトレーニングには、日頃から食や健康に興味を持つことや、人と接する経験を積むことが有効です。具体的には、地域の健康祭りや食育活動への参加、調理技術検定への挑戦など、今からでもできる食の経験はいろいろあります。特にレシピ・コンテストへの取り組みは、テーマに見合うメニューの考案、地元の旬の食材を予算内に収める仕入れ、簡単に素早く完成させる調理技術、写真と文章で表現する応募用紙、審査員へのプレゼンテーションなど、管理栄養士に必要な技術が学べる実践的な学習ツールといえます。

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先生情報 / 大学情報

金城学院大学生活環境学部食環境栄養学科准教授石田淳子先生

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臨床栄養学、食品栄養科学

メッセージ

管理栄養士は国家資格です。「絶対に国家試験に合格するぞ」という強い意志を持って進学し、4年間しっかり勉強して十分な知識を蓄えてください。大学では「栄養学」「人体の機能」「食品学」「調理学」などを学びます。これらを学ぶ際に高校で習う「生物」や「化学」の基礎学習が役立ちます。
一方で、管理栄養士は人と接する職業です。高校生のうちから食や健康に興味を持って、さまざまなことにチャレンジして、人間力のある素敵な管理栄養士になってください。

先生への質問

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