痩せは妊娠と子どもの将来の健康に影響する
痩せは妊娠と子どもの将来の健康に影響する
情報化が進んだ今、妊婦もウェブサイトなどを参考に正しく栄養・体重管理を行っているのかと言えば、実際はそうではありません。妊娠前からの痩せ願望の継続で、妊娠中も十分にエネルギーや栄養素を摂取せず、きちんとした妊娠中の体重増加が確保できない妊婦もみられています。妊娠前の痩せは低体重児の出生リスクを高くします。そして、低体重児として生まれた子どもは、将来的に生活習慣病になりやすいとの報告もあります。
妊婦に関わる管理栄養士の重要性
そんな現状を変えるために、妊婦への介入研究も行われています。妊娠初期から出産まで、摂った食事の写真を送ってもらい、栄養面でのアドバイスを返信するなどの活動が、管理栄養士を介して実践されているのです。
通常、妊婦健診の後には管理栄養士から栄養に関する注意事項を伝える機会がありますが、そこではその人個人に向けたアドバイスは難しいのが現実です。そこで介入研究の結果を通して、管理栄養士による個別サポートがどれだけ重要かが立証されようとしています。この研究では、妊婦の家族構成にまで至る詳細なアンケートも並行して行われています。それを見ると、家族の多い家庭の方が、妊婦の栄養バランスが摂れているとの見解が得られました。
妊娠中はもちろん、普段から栄養管理を
女性の「痩せたい」願望は、どうしても芽生えてしまうものかもしれません。しかし、子どもの将来の健康、あるいは親子の幸せという視点で見れば、せめて妊娠中はしっかりと栄養管理をすべきだと言えます。もしかしたら今後は、心理カウンセラーなどが管理栄養士と同席して、個人の持つ過剰な痩せ願望を変えていく必要があるのかもしれません。
子どもたちは未来を形作っていく存在です。その大切な子どもたちと、子どもたちを産む妊婦の将来は、「栄養」という素朴とも言える要因が重要なのです。
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