外国映画から見えてくるソーシャルワーカーの活躍

外国映画から見えてくるソーシャルワーカーの活躍

ソーシャルワーカーとは

ソーシャルワーカーとは、主に福祉の現場で社会的支援や相談援助を行う専門職です。日本では高齢化が大きな課題としてあるために、高齢者分野に携わる職業というイメージが先行しがちですが、ソーシャルワーカーが活躍する分野はそれだけではありません。

映画の登場人物として

外国映画の中には、さまざまな場所で働くソーシャルワーカーを見ることができます。ミュージカル映画『アニー』には児童相談所、『バットマン』シリーズのスピンオフ映画『ジョーカー』には医療機関で働くソーシャルワーカーが登場します。イギリス映画『オレンジと太陽』は、1人のソーシャルワーカーが19世紀後半から20世紀前半までにイギリスで密かに行われていた児童移民という政策を突きとめ、引き離された親子を再び結び合わせるために活躍する物語です。海外でのソーシャルワーカーは、介護だけでなく移民や貧困者などの社会的弱者を支える立場として活躍しています。医療や教育といった幅広い現場で、社会に対して正義感を持って働いているのです。

ソーシャルワーカーに求められるもの

日本でのソーシャルワーカーは資格がなくてもなれる職業ですが、支援には多岐にわたる知識が必要になります。心理学や社会学のほか、制度を活用するための法律や基礎的な医療知識も求められることがあります。また、施設のソーシャルワーカーは、施設の運営に関わることもあり、経営の知識や感覚が大切です。
アクション映画の『スパイ・レジェンド』で、難民センターで働くソーシャルワーカーが描かれているように、早くからソーシャルワーカーが普及した海外の方が支援の幅に広がりがあります。最近では日本でもNPO法人などを立ち上げて活動する新しい支援が始まっており、刑務所を出所した人やヤングケアラーへの支援がソーシャルワーカーによって行われるようになりました。多様な人々が共に暮らす社会を作るためにも、これからは支援の範囲がさらに広がっていくと考えられます。

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先生情報 / 大学情報

岡山県立大学 保健福祉学部 現代福祉学科 准教授 口村 淳 先生

岡山県立大学 保健福祉学部 現代福祉学科 准教授 口村 淳 先生

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社会福祉学

先生が目指すSDGs

メッセージ

社会福祉学は、福祉の現場だけではなく一般企業で働くとしても、非常に役立つものです。これからの社会は、高齢者や障害のある人、外国籍の人など様々な背景を持つ人が共に暮らす多様性をめざしており、あなたにとっても身近なことです。共に暮らすためには、その人たちがどんな考えを持ち、何に困っているのかを知ることが必要です。つまり社会福祉学は、これからの社会が円滑に回っていくために必要な学問といえます。自分にできるだろうかとか、ハードルが高いというイメージがあるかもしれませんが、ぜひ社会福祉を学んでほしいです。

先生への質問

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未来を教育する岡山県立大学は、保健福祉学部、情報工学部及びデザイン学部の主専攻を学ぶ縦糸と、学部バリアフリーで学ぶ副専攻の岡山創生学が横糸となり、未来を拓く人材像を編みだします。本学の教育理念である「人間、社会、自然」との関係性を重視して地域に貢献することは、予測不可能な未来社会で生きるための知・感性・技が磨かれます。自然の摂理を知ることにより、人間を理解し、情報化のみでは満たされない健全な社会が構築できるからです。いま胎動する地域創造への挑戦。本学でワクワクするような挑戦を試みませんか?