ダンスは、人を知り、コミュニケーション力を養うツール
ダンスで実生活に生かせるスキルを
近年はSNSの影響もあって、ダンスがより身近なものになりました。学校ではダンスの授業がありますが、ダンス教育はダンスそのものの上達を目的とはしていません。学校でのダンス教育の目的はいろいろありますが、そのひとつがコミュニケーション力を豊かにすることです。例えば、言語や文化が異なるため、言葉が伝わらないという相手でも、同じ空間で踊れば、すぐに仲良くなれるものです。ダンスには、そんな力があります。ただ、実際にはそれを意識して指導されていないのが現状です。せっかく学ぶなら、実生活に生かせるスキルを養えるようにしたいものです。
人による思いや表現の違いを知る
ダンスでは言葉を使わない、イメージによるコミュニケーションをしています。相手の表情を見て感じ、相手と同調したり、身体を使って思いを表現したりします。自分の思いと相手の受け取り方が違うことは多々あります。「優しい」「楽しい」といった言葉に抱くイメージは人によって異なり、表現も千差万別です。その違いを知るだけでも、コミュニケーションスキルは向上します。例えば「あのね……」と話し始めるとき、目を見開いて言うか、下を見ながら言うかによって、相手への伝わり方が異なります。そして、話し相手の目を見つめるだけで、安心感を伝えることもできます。こうした表現力を養うのがダンスであるともいえます。実際に、ダンスによってそのスキルを得た看護学校の学生が、実習中に患者さんの思いをくみ取りやすくなり、接し方が変わったという実例もあります。
「コミュ症」という人たちの力になれる
人が生きていく上で、コミュニケーション力は欠かせません。学校のダンス授業や一般のカルチャースクールなどを通じて、ダンス技術だけでなく表現の仕方や見え方を学べば、人生に大いに活用できるコミュニケーション力を養うことができるでしょう。「自分はコミュ症(コミュ障)」という人が増えている現代において、ダンスがそんな人たちの力になる可能性があるのです。
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東海大学 人文学部 人文学科 講師 藤田 実季 先生
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