学校ダンスとコンテンポラリーダンスはつながっていた
コンテンポラリーダンスとは
20世紀になって、世界は第一次世界大戦や大恐慌を経験し、不安を抱えていました。それまでは、まだ芸術的な踊りはクラシックバレエしかなく、それでは今の自分たちを表現できないと始まったのが、モダンダンスです。
このモダンダンスの流れを汲む現在のダンスはコンテンポラリーダンスと言います。これは、ダンサーが必要な動きや表現を即興的に取り出し、自分のスタイルで自由に表現していくダンスです。ダンサーはそのために、自分の体がどんな動きにも対応できるように、ダンスだけでなく、合気道やヨガなどさまざまな身体運動を練習に取り入れています。
学校ダンスの授業は
さて一方、学校のダンスの授業では、創作ダンスと現代的リズムのダンス、そしてフォークダンスの時間があります。なかでも創作ダンスでは、自分の体で自由に感情表現することを大事にします。一人ひとりの生徒の体から出てきた動きのいいところを伸ばしていきます。いい動きにするための助言はしても、先生からこうしなさいと教えることはありません。なんだかコンテンポラリーダンスと似ていると思いませんか?
コンテンポラリーダンスと学校ダンスのつながり
実は、コンテンポラリーダンスの動きの見つけ方や創り方は、学校の創作ダンスを指導する方法とそっくりなのです。コンテンポラリーダンスのダンサーが高校や大学のダンス部のコンクールを見ると、「普通の舞踊公演よりも面白い」と驚くほどです。大学でダンスに出会い、そこからコンテンポラリーダンスを始めて世界で活躍しているダンサーも少なくありません。コンテンポラリーダンスも、学校の創作ダンスも、自由にそのときに求められる動きや表現を取り出すという点で根底がつながっていて、それはダンスの本質なのです。ですから、コンテンポラリーダンスと学校ダンスの二つは、まったく別世界のように思えるダンスの現場ですが、根底でつながっているのです。これからは、ますます双方のつながりが強くなっていくでしょう。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。