売れる商品と売れない商品、どこが違う?
なぜナポリタン味のアイスは売れなかったか?
あなたは2014年に発売されたナポリタン味のアイスキャンディーを覚えていますか?発売当時、話題にはなりましたが全く売れず、大きな赤字を出しました。その原因は奇抜さを追求しすぎて、消費者が求めるものをきちんととらえていなかったことです。
たくさんの商品があふれている現代では、「作った商品をどう売るか」を考えるのではなく、「売れる商品をどう作るか」を考えることが重要です。そのような発想法は、もともとは主にデザイナーが行っていたことから「デザイン思考」と呼ばれ、企業が利益を上げる仕組みを考える「マーケティング」で欠かせないものになっています。
自分の不満を解決したら、大ヒット商品に
消費者の不満や課題を解決する商品として大ヒットしたのは、例えば、ダイソン社の掃除機です。最初は開発者自身が掃除機のゴミをためる紙パックの交換が面倒であると感じたことから、紙パックのいらない掃除機を考案したのです。すると、同じ不満を持っていた人が世の中にはたくさんいて、大ヒットに結びつきました。また、紙パックを使い続けると目詰まりして吸引力が落ちますが、紙パックを使わなければ吸引力が持続するというメリットも生まれたのです。このように消費者の「欲しい」気持ちに寄り添うことで、売れる商品をつくることができるのです。
新しい商品やサービスを考える起業体験イベント
同じ「欲しい」という気持ちでも、スマホのように「ないと不便」だから欲しいのか、ゲーム機のように「あると嬉しい」から欲しいのかによって、商品の作り方は違ってきます。どのようにして新しい商品やサービスを作ることができるのか、実践を通して学べる起業体験イベントが盛んに行われています。顧客の意見を集めて小さな失敗を重ねることで、アイデアを磨き上げていくことができます。起業することを目指す人だけでなく、新しい事業を興して会社を大きくしようとする人も参加しています。
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先生情報 / 大学情報
滋賀大学 経済学部 総合経済学科 准教授 山下 悠 先生
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先生への質問
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