ソーシャルメディアで流行のメカニズムが解き明かされる!?
ネット上で人気の「ソーシャルメディア」
古くはBBSにはじまり、ブログやツイッターなどの「ソーシャルメディア」が広く浸透してきました。ソーシャルメディアとは、インターネットやウェブ上での技術を用いて、個人が発した情報を、ほかの参加者が受け取って反応したり、その発言を広めたりすることによってコミュニケーションが生まれ、双方向的な会話となって成立するように設計されたメディアです。例えば、「〇〇というお菓子が美味しかった」と誰かが発信すれば、「私もそう思う!」という反応があったり、元の発言を誰かが再度紹介したり、「同じメーカーのこれも美味しいよ」と話題が発展するなどして、会話の輪が縦横無尽に広がっていく仕組みになっています。
流行を予測し、作ることもできる
現実社会のあちこちで私たちが交わしている会話をすべて記録するのは無理ですが、ソーシャルメディアに参加している人々のやり取りはテキストデータで残ります。この発言データを分析すれば、そのコミュニティ内で何がホットな話題なのか、何が流行っているのかがたちどころにわかります。すなわち、商品やサービスを売りたい企業にとっては、格好の情報収集の場になるのです。また、会話を追っていくと、常に周囲のメンバーの発言や行動に影響を与えている「オピニオンリーダー」の存在が浮かび上がります。この人たちの発言を観察すれば、近い将来に何が流行りそうかを予測し、その影響力を活用して商品やサービスを宣伝することもできます。
社会心理学上でも興味深いメディア
ソーシャルメディアは一大マーケティングフィールドであり、流行のメカニズムを解き明かすのに適した格好の媒体です。また社会心理学の視点からも興味深い研究対象と言えます。オピニオンリーダーの発言がどのように周囲に影響を与えて話題の波紋が広がっていくのか、という流行のメカニズムを解き明かすヒントや、そもそも人が情報発信する動機とは何か?など、非常に興味深いテーマの宝庫なのです。
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大阪大学 経済学部 経済・経営学科 教授 松村 真宏 先生
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