ソーシャルメディアで流行のメカニズムが解き明かされる!?

ソーシャルメディアで流行のメカニズムが解き明かされる!?

ネット上で人気の「ソーシャルメディア」

古くはBBSにはじまり、ブログやツイッターなどの「ソーシャルメディア」が広く浸透してきました。ソーシャルメディアとは、インターネットやウェブ上での技術を用いて、個人が発した情報を、ほかの参加者が受け取って反応したり、その発言を広めたりすることによってコミュニケーションが生まれ、双方向的な会話となって成立するように設計されたメディアです。例えば、「〇〇というお菓子が美味しかった」と誰かが発信すれば、「私もそう思う!」という反応があったり、元の発言を誰かが再度紹介したり、「同じメーカーのこれも美味しいよ」と話題が発展するなどして、会話の輪が縦横無尽に広がっていく仕組みになっています。

流行を予測し、作ることもできる

現実社会のあちこちで私たちが交わしている会話をすべて記録するのは無理ですが、ソーシャルメディアに参加している人々のやり取りはテキストデータで残ります。この発言データを分析すれば、そのコミュニティ内で何がホットな話題なのか、何が流行っているのかがたちどころにわかります。すなわち、商品やサービスを売りたい企業にとっては、格好の情報収集の場になるのです。また、会話を追っていくと、常に周囲のメンバーの発言や行動に影響を与えている「オピニオンリーダー」の存在が浮かび上がります。この人たちの発言を観察すれば、近い将来に何が流行りそうかを予測し、その影響力を活用して商品やサービスを宣伝することもできます。

社会心理学上でも興味深いメディア

ソーシャルメディアは一大マーケティングフィールドであり、流行のメカニズムを解き明かすのに適した格好の媒体です。また社会心理学の視点からも興味深い研究対象と言えます。オピニオンリーダーの発言がどのように周囲に影響を与えて話題の波紋が広がっていくのか、という流行のメカニズムを解き明かすヒントや、そもそも人が情報発信する動機とは何か?など、非常に興味深いテーマの宝庫なのです。

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先生情報 / 大学情報

大阪大学 経済学部 経済・経営学科 教授 松村 真宏 先生

大阪大学 経済学部 経済・経営学科 教授 松村 真宏 先生

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仕掛学

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メッセージ

私が大切にしているいくつかの座右の銘の一つに「fail fast(早く失敗しよう)」があります。失敗を恐れず、悩んでいる暇があれば行動しよう、前に進もう、というメッセージです。日本にも「失敗は成功のもと」という言葉がありますが、まさに失敗するからこそ改良や改善につながり、結果として成功につながっていくと思います。私が取り組んでいる「仕掛学」は、自分の体験に基づいて発想できる学問です。新しいイノベーションを生み出すためにも、失敗を恐れずいろいろなことに挑戦してみてください。

先生への質問

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自由な学風と進取の精神が伝統である大阪大学は、学術研究でも生命科学をはじめ各分野で多くの研究者が世界を舞台に活躍、阪大の名を高めています。その理由は、モットーである「地域に生き世界に伸びる」を忠実に実践してきたからです。阪大の特色は、この理念に全てが集約されています。また、大阪大学は、常に発展し続ける大学です。新たな試みに果敢に挑戦し、異質なものを迎え入れ、脱皮を繰り返すみずみずしい息吹がキャンパスに満ち溢れています。