経営分析は会社の健康診断
会社の良し悪し
利益が莫大に出ている会社があるとしたら、そこは良い会社でしょうか。利益を還元するために株主にたくさんの配当金を出せば、株主にとっては良い会社です。ここでいう会社の利益とは、お客様から受け取った収益から稼ぐために使った費用を差し引いたものです。収益が同じでも、会社の費用を少なくすれば利益が増えます。費用の中には給料などの人件費があり、人件費を低く抑えれば利益は大きくなりますが、もし、あなたがこの会社の従業員だったら、良い会社と言えますか。すなわち、会社の良し悪しというのは、見る角度を変えるとまったく違う答えになるのです。会社の経営分析をする時は、さまざまな角度から見る必要があります。
時代の変化と会社の盛衰
スマートフォンのゲーム制作には多くの会社が参入しています。スマートフォンの前はガラケーと呼ばれる携帯機種が使われており、そこでもゲームは楽しめました。ゲームとして見ればガラケーでもスマホでも同じように感じますが、制作会社はこの10年で入れ替わってしまっています。つまり、ガラケーの時代に人気のあったゲーム会社でも、スマホでは成果を出せなかったのです。会社の盛衰にはさまざまな要因が考えられますが、時代の変化も念頭に置く必要があります。
会社の姿を見る
お小遣いが500円しかない時は500円分までしか使えません。しかし、大人になるとクレジットカードを使ったり、ローンを組んだりして、手元にある以上のお金が使えます。それは、その人が支払えるという信用があるからです。会社も同様に、信用によりお金を借りて営業しています。会社がどれくらい信用できるかを調べるためには、経営分析が必要になります。
人は血圧や血液のデータから健康診断をするように、会社は決算書などから現在の健康状態を診断するのです。さらに、従業員が働いている姿や時代背景などを加味していくことで、より詳しい会社の姿が見えてくるのです。ただ1つの答えがあるというものではないため、多面的な価値観を持って考えることが大切です。
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先生情報 / 大学情報
専修大学 経営学部 経営学科 教授 大柳 康司 先生
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