新たな市場を生み出すマーケティングの魅力

新たな市場を生み出すマーケティングの魅力

商品を販売するうえで、避けては通れない道

ひと口に「マーケティング」と言っても範囲は広く、リサーチやプロモーション、価格、流通など、多くの活動が含まれます。言わば企業と消費者の関係を取り持とうとする活動のすべてがマーケティングなのです。そういう意味では、どのような商品を販売する際に必要かと言うと、特にトイレタリーグッズや化粧品、飲料など、他製品との違いがわかりにくい商品はマーケティングに力を入れる傾向があります。

「ヘルシア緑茶」がヒットした理由とは

マーケティングに長けた企業のひとつ、花王が2003年に発売し、大ヒットしたのが「ヘルシア緑茶」です。花王は販売にともない、まずお茶に「飲むだけで体脂肪を消費しやすくする」という付加価値を付け、それを後押しすべく特定保健用食品の認可を取得しました。またターゲットを生活習慣病を懸念するビジネスマンに絞り、販売をコンビニエンスストアに限定するなど、いくつもの戦略を立てました。おかげで180円(発売当時・税別)という価格を割高に感じさせず、主にトイレタリーグッズを扱う企業である花王が飲料市場で成功したのです。
一方、「ヘルシア緑茶」の成功を受け、サントリーや日本コカ・コーラでも特定保健用食品の認可を受けた飲料を販売し、飲料業界に新たな市場が生まれました。このように新たな市場を生み出すことが、マーケティングの醍醐味でもあります。

消費者の囲い込みと新たな市場

しかし、先進国において新たな市場を開発するのは難しいことです。そこで近年、各企業や小売店が競うようにして発行を始めたのがポイントカードやポイントカードアプリです。商品以外のインセンティブ(報奨)を付けることにより、消費者の囲い込みを狙っているのです。また、海外へと市場を求める動きも高まっています。現在、まだ成長を見せている中国はもとより、今後は周辺のアジアや南米、アフリカといった国々へも、各企業は手を伸ばすことになるでしょう。こうした動きは日本に限らず、どの先進国でも共通しています。

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先生情報 / 大学情報

神奈川大学 経済学部 現代ビジネス学科 准教授 八ッ橋 治郎 先生

神奈川大学 経済学部 現代ビジネス学科 准教授 八ッ橋 治郎 先生

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経済学

メッセージ

高校生も主婦も何らかの商品の消費者である以上、マーケティングの一翼を担っています。せっかくですから何か商品を購入する際、商品が陳列されている意味やパッケージなどに着目してみてください。企業側の意図をあれこれ考えるのは、非常に面白いものです。またそうやって考えることは、いずれ就職した際に間違いなく役立ちます。自給自足の生活を送る以外、マーケティングと縁を切ることはできません。そういう意味では、経済学は社会に出て役に立つ学問だと言えるのです。

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1928年創立以来、真の実学をめざし、自ら成長できる人材を育成してきました。近年では2021年、グローバル系3学部が集うみなとみらいキャンパスが誕生。2022年、「建築学部」を開設、2023年には理工学部を改組し「化学生命、情報学部」を開設。文理11学部すべてを横浜エリアに集結させ、世界レベルをめざす総合大学として、新たな一歩を踏み出しました。
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