学校の教師もアップデートする時がやってきた!?
スマホとはわけが違う電子黒板
いつもスマホを使うあなたなら、スマホを操作するのは簡単でしょう。では、電子黒板はどうでしょうか。同じタッチ操作ですが、大画面なので手の動かし方が違いますし、全員によく見えるように自分の手や体の位置を考えなくてはいけません。線を引く時には、専用のペンを使うこともあります。そんな初めての体験に、スマホ世代の若手の教師は戸惑っています。デジタル教科書や電子黒板などを使うICT(情報通信技術)教育が始まったものの、まだ十分に活用しきれていないのです。
教師によって授業のレベルがばらばら?
現在のICT教育は、教師の技量によって授業のレベルはばらばらです。必ずしもICTに詳しい教師が良いわけではなく、操作が速すぎて児童がついていけないこともあります。反対にICTについては児童に教わるものの、上手に授業を深めていくベテラン教師もいます。またプログラミング教育についても、EUのエストニア共和国をはじめとしたICT先進国では、算数や芸術など多くの教科の中で通常の授業の中にしっかりと組み込まれているのに対し、日本ではまだまだ体験的な学びから抜け出せていない状況のため、個々の教師の裁量に委ねられていることは否めません。
大切なのは、どう学びを深めるか
ICT教育では、一人一人の能力に合わせた「個別(最適)」学習や、デジタル・ツールを使って課題解決を考え、話し合い、発表する「協働」学習が期待されています。さらに蓄積されたデータを活用すれば、児童・生徒の苦手な分野の確認や評価、教師自身の振り返りにつなげることもできるでしょう。ICT教育はデジタル・ツールを使うだけではなく、ツールやデータを活用して、どう授業内容を深めていくかが大切です。そういう意味では、ICT技能と、子どもの意見を上手に引き出してまとめるファシリテーション能力の両方を身につけた、これまでにない新バージョンの教師が求められているのです。
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先生情報 / 大学情報
名古屋芸術大学 教育学部 子ども学科 教授 真弓 英彦 先生
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