発達障害治療の新たな可能性 「運動支援」がもたらす効果とは
発達障害治療における第3のアプローチとは?
発達障害(神経発達症)の治療に関する研究は、これまで心理・行動療法や薬物療法によるアプローチを中心に進められてきました。近年、それらの治療法の効果を増大させ、補助的な治療につながる可能性があるとして注目を集めているのが、運動支援によるアプローチです。
発達障害は、脳機能の発達に関係する特性です。運動をすることは、代謝や食事・睡眠といった生活習慣を改善するだけでなく、社会的な交流の機会を増やします。そのため、運動やスポーツは、体力向上などの身体的な発達だけでなく、認知発達や社会性の発達にもつながり、発達障害の症状の改善に結びつくのです。
スポーツを通じて社会とのつながりが生まれる!
運動やスポーツは、発達障害の子どもたちの社会性の発達を促すという点においても、非常に効果的です。発達障害には、「こだわりが強い」「じっとしていられない」など、一人一人にさまざまな特性があります。しかし、こうした特性が原因で人とうまく関われず、コミュニケーションに苦手意識を持ってしまうこともあります。集団で競技に取り組むスポーツを通じて、自然に対人コミュニケーション能力が養われることで、社会との接続をスムーズにする効果も期待できます。
スポーツをアダプテッドしてみよう
ただし、発達障害の子どもたちは体を上手にコントロールする協調運動が苦手な場合が多いです。そのため、既存のスポーツに捉われることなく、柔軟にスポーツのルールやツール(道具)を障害に応じて適合(アダプテッド)していくことが必要です。
例えば風船やバレーボールを軸としたアダプテッド・スポーツがありますが、あなたの身近にもアダプテッドの要素はたくさん隠れているはずです。ぜひみんなが心の底から楽しめるようなアダプテッド・スポーツを作ってみましょう!
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先生情報 / 大学情報
名古屋芸術大学 教育学部 子ども学科 講師 細川 賢司 先生
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発育発達学、身体教育学、スポーツ学先生が目指すSDGs
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