「英語」と「コミュニケーション」
外国語で「話す」「聞く」コミュニケーション
「何年も勉強したのに英語が話せない」と嘆く日本人は多いでしょう。しかし、これは日本人の英語に限ったことではありません。外国語の授業を世界的に見ても、先生が生徒の前に立って教えることが一般的です。例えばイギリスでドイツ語やラテン語を学ぶ場合もさほど大きな違いはないのです。結果も同じで、何年も勉強しているのに日常的な会話ができない、その言語を使った自分らしい話し方ができない、ということになっています。ただ、インド人の話す英語、マレーシア人の話す英語、日本人の話す英語、というような発音や構文の個性は誰にも批判されるべきではありません。むしろネイティブスピーカーにとって好意的な個性と受け取られます。
英会話とアクティブ・ラーニング
近年、国の教育方針でもよく耳にする「アクティブ・ラーニング」では、英語でも特に英会話の場合、生徒を少人数に分けてグループワークをすることが勧められています。一般に、身近なテーマを決めてフリートークをしますが、2~5人程度のグループにするとより話しやすい環境になります。内気な性格の人も経験を重ねることでいつのまにか話せるようになっている、主張の強い人も相手の話を聞けるようになっていく、その自然な変化が「言語を学ぶ」特徴なのです。実はこうしたグループ演習の手法は新しいものではありません。日本に来た外国人を対象とした民間の日本語学校が何十年も手掛けてきた手法なのです。
会話することで生まれる多様なきっかけ
スマートフォンには便利な翻訳アプリがありますし、例えばビジネスなどの間違えてはいけない場面でも、英語をあえて深く勉強しなくても足りてしまうでしょう。しかし、自分の持っているひそかなアイデアは、周囲に伝えて、その反応によって初めて価値がわかるものです。英語のグループ演習は、人の性格を変えるものではありませんが、コミュニケーション能力を高めて人との関わり方を変えていく勉強方法だと言えます。
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