情報通信技術(ICT)は、どんな新しい教育の扉を開くのだろう?
ICTの活用で新時代を迎える教育分野
「ICT」とは、インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー(情報通信技術)の略で、IT(インフォメーション・テクノロジー)に、通信コミュニケーションを加味した概念です。
巨大な量のデータを扱える通信網が発達し、スマートフォン、タブレット端末などの高性能な情報デバイス(装置)が普及した現在、教育分野でのICT活用が期待を集めています。すでにパソコンやタブレット端末が授業に使われており、これからはより高度な通信技術の活用で、生徒の持つスマホが教室になったり、先生たちが全く新しい授業スタイルの開発に挑戦したりということが現実になりつつあります。
授業と宿題をひっくり返す「反転授業」とは?
一般的な授業は先生が大勢の生徒を相手に講義をします。この講義部分を動画にしてWebにアップしておけば、生徒はそれを事前に家でスマホやタブレット端末で見て予習し、実際の学校の授業では応用問題に取り組んだり、ディスカッションしたりする「反転授業」が可能になります。この手法は生徒にとって勉強の効率アップにつながると期待されています。ICTの進歩が、これまでの授業と宿題の役割を逆転させることも可能にしたのです。
専用SNSを使って教員のスキルアップ
ICTの活用は教員の養成にも役立ちます。教職に就くために教育実習は欠かせませんが、従来は実習生の模擬授業を録画して複数の指導者が評価を共有したり、実習生自身に評価をフィードバックするには結構な手間と時間がかかりました。しかし専用のSNSを立ち上げれば、授業の様子を動画でSNS上にアップして、どこにいるメンバーでもすぐ視聴できます。また、「この項目の説明はこうするといい」という部分があれば、フラグをつけてコメントのやりとりができ、後で自由に検索もできるため、効率的なスキルアップが望めます。今後あらゆる教育分野の質的向上に、ICTの先端技術が大きく貢献することが期待されているのです。
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先生情報 / 大学情報
大阪教育大学 教育学部 教育協働学科 理数情報部門 教授 仲矢 史雄 先生
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