めざすはドラえもん! 友だちになれるコンピュータの開発
人のように認識できるコンピュータ
時には失敗もするような「人間臭さ」を持つコンピュータ、あるいはドラえもんのような「心」のある人工知能の開発を最終目標として、「人間のように認識できる」画像認識技術の研究が行われています。顔認識や服装認識、性別認識、物体認識などのほか、美しさの識別や色彩の調和の評価など、世の中のあらゆるものを正確に理解できるよう、研究対象は多岐にわたります。
画像認識の中に、人の視覚機能も取り入れています。例えば視線を解析すると、人が性別を判断するときに見るのは頭部がほとんどです。深層学習の中に人の視覚機能を入れ込むことで、認識精度を上げられるのです。
空気が読めるコンピュータ
会話している人の身ぶり手ぶりの画像から、会話の盛り上がりの程度を認識するソフトウエアも開発されています。屋外で歩きながら話している人物グループを対象としたもので、防犯カメラなどで斜め上からとらえた画像を正面から見た画像に変換して認識します。
現段階では、サービスエリアの駐車場の防犯カメラの映像を解析し、利用者の会話が弾んでいればサービスエリアに満足していると判断して、マーケティングにつなげるといった利用法があります。将来「心」を持つコンピュータができれば、この機能を使って場の空気を読み、会話が弾んでいなければ会話を盛り上げるアドバイスをするといったことも可能になるでしょう。
親しみの持てるインタフェース
人間らしいコンピュータの開発には、人と接するインタフェースにも親しみが持てるような工夫が必要です。ドラえもんの「着せ替えカメラ」のような仮想試着や、MR(複合現実)ゴーグルを装着するとホログラムの矢印が浮かび上がる道案内など、ユニークなインタフェースが開発されています。
今後はさらに、美しさや印象の良し悪しなどの感性をコンピュータに学習させることが目標とされています。そのためにまず、人がどこを見てどのように印象を抱くのかを明らかにしようと、研究が進められています。
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先生情報 / 大学情報
鳥取大学 工学部 電気情報系学科 教授 西山 正志 先生
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