オープンソースは、世界中の情報や人間をつないでいる
技術や貢献度で評価される
コンピュータプログラムの多くは、これまで大企業の技術者によって開発され、一般の人が利用するためには買う必要がありました。しかし、オープンソース(公開されているソフトウエアの設計図)は誰でも無料で利用することができます。オープンソースは、コンピュータプログラムの元になっているコードが公開されていて、誰でも自由に使うことができるのです。また、配布、修正が自由にでき、修正して再配布することも認められています。いままで重要な技術は大企業が持っていたので、個人が勝手に改造してよりよい製品にすることはできなかったのですが、オープンソースの場合は自分の得意な分野の知識を活用して、次々に新しいものを生み出すことが可能です。
オープンソースの開発には、一流企業の技術者、中小企業の経営者、大学院生などさまざまな人が参加しています。新しいソース作りは、肩書きではなく、各人の技術や貢献度によって評価され、参加した人たちのゆるやかな人間関係も広がっていきます。そして、その人間関係からまったく新しい可能性が広がっていくこともあります。金銭ではなく、基本的に一人ひとりのモチベーションによって支えられているのが、オープンソースの世界です。
世界に技術を紹介している
すべての人がまったくのボランティアでオープンソースに参加しているわけではありません。オープンソース作りで、自分の技術に対する評判を高めて企業に就職する人もいます。また、使いこなしてエキスパートになれば、人に教えるなどのビジネスへの展開もできます。大企業も現在ではオープンソースに技術者が参加することで、メンテナンスなどのビジネスに応用展開しています。
誰でも自分の作ったものを友だちなどに見せることがありますが、オープンソースはインターネットの普及によって全世界に、自分の技術を紹介しているようなものです。好きなことをした結果が世界に認められて、ビジネスにつながるかもしれないオープンソースは、今後ますます広がっていく可能性があります。
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