人間にとって、AI技術を作る責任、使う責任

人間にとって、AI技術を作る責任、使う責任

ディープラーニングとは

人工知能(AI)は、あらかじめ人がプログラムした内容だけでなく、コンピュータ自らがどんどん学習し知識を深めていくのが特徴です。このAI分野で活用する技術の一つに、ディープラーニング(深層学習)があります。膨大なデータや学習量を元に、AIが自動的にデータから特徴を抽出できるようになりました。それによって、デジタル化が難しかった言語や画像、音といった非構造化データの学習が可能になったのです。具体的にできるようになったのが、画像認識や音声認識、自然言語処理などです。

身近にある便利なアプリは、AIのおかげ

ディープラーニングによって、画像認識ではスマートフォンで写真を撮るときの顔認証や、SNSのタグ付けと呼ばれる機能ができました。さらに機械翻訳や、コンピュータが質問に答える機能も実現しています。これらは便利なアプリケーション機能として、あっという間に広く、一般化されました。幅広く応用できるので、今後もアイデア次第で、便利で機能的な新しいアプリがどんどん開発され、登場するでしょう。

AIを正すのは、人間の役目

便利な世界の実現のために、AIの発展はとても良いことです。しかし、学習を重ねていったAIが、誤った判断に基づいて誤った方向へ突き進んでいかないかが懸念されています。AIは、自ら導いた結論が倫理的に正しいのか、悪いのかの判断ができません。理論物理学者の故スティーヴン・ホーキング博士も、この点において「AIはとても危ない」と語っていました。
それでも10年後には、今よりもっとAIと共存する社会になります。私たちはAIが悪い方向へ向かわないよう、常に導いていく責任があります。しかもこれからは研究者やエンジニアだけでなく、さまざまな形で誰もがシステム作りに関わる時代です。AIに関するリテラシーを持ったうえで、将来、社会にどのような影響を与えるかまで考え、住みよい社会を作る意識を持つことが大切です。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

上智大学 理工学部 情報理工学科 教授 ゴンサルベス タッド 先生

上智大学 理工学部 情報理工学科 教授 ゴンサルベス タッド 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

知能ロボティクス、情報通信

メッセージ

現代は、AI機能が搭載された家電製品や日用品が増え、AIとの共存社会は目の前です。特に研究を志す人は、AIと仲良くなりましょう。そのため、AIに関する初歩知識「AIリテラシー」を、ぜひ身に付けましょう。あとは、趣味を大切にしてください。趣味は研究に役立つからです。私は日本の仏教が大好きで、長野県の善光寺など、よく寺社巡りに出かけます。不思議なことに新しいアイデアは、こうしたお寺でふと湧いてきます。楽しい研究生活を送るためにも、あなたの趣味は大切にしましょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?

上智大学に関心を持ったあなたは

日本初のカトリック大学として開学し、創立当初から国際性豊かな大学として、外国語教育に重点を置いてきました。留学制度も充実しており、世界約80ヶ国に390校以上にも及ぶ交換留学・学術交流協定校があり、コロナ禍の2020年度、2021年度を除き、毎年約1,000人の学生が世界の様々な国や地域へ留学しています。また、少人数教育も本学の伝統のひとつです。教員と学生の距離が近く、また学生同士が率直に意見を交し合う、きわめて理想的な教育環境が整っています。他者を思いやり、社会に奉仕できる人材を育成します。