いろいろな使い方に合わせて進歩する電子ディスプレイ

いろいろな使い方に合わせて進歩する電子ディスプレイ

電子ディスプレイの変遷

テレビやパソコン、携帯電話、デジタル時計など、私たちの身近な製品に使われている“電子ディスプレイ”。薄型化や小型化・軽量化が進んでいますが、どのように進歩してきたのでしょうか?
電子ディスプレイは長い間、ブラウン管が主流でした。近年では、それがプラズマディスプレイや液晶ディスプレイに代わってきています。ブラウン管の場合、画面上に塗った蛍光体に電場や磁場によって曲げられた電子を照射することで、絵を映していました。一方、プラズマディスプレイは、希ガスに電圧を加えて放電させることによってエネルギーの高い紫外線を発生させ、それで蛍光体を光らせて絵を映します。

電力消費量の少ない液晶ディスプレイ

液晶ディスプレイでは、液晶自体は光を出しませんので、背面に小さな蛍光灯や白色発光ダイオードなどにより構成されるバックライトが配置されています。そして液晶パネルが、バックライトからの光を通したり通さなかったりするスイッチのような役割を果たし、パネル表面まで到達した光が絵となって現れてくるのです。
液晶ディスプレイとプラズマディスプレイを比べると、液晶ディスプレイのほうが電力の消費量が少なくて済みます。家庭の電力消費量は、テレビと照明で4分の1以上を占めるので、ディスプレイの電力消費量を少なくすることは環境への配慮につながります。今後一層、エネルギー効率を考えたディスプレイが求められるでしょう。

進歩するディスプレイ

テレビもパソコンも製品が誕生した当初は重たいブラウン管が主流で、それを必要な場所に置き、その場所で使うだけでした。しかし小さなスペースにも置きたい、持ち運びたいなどのニーズによって、薄型化・小型化・軽量化された製品が登場しました。最近では、有機化合物を使った有機ELディスプレイの研究が盛んに行われています。壁かけタイプや折りたたみタイプ、3Dなど、より柔軟な使い道ができるように、ディスプレイの進歩は続いているのです。

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先生情報 / 大学情報

鳥取大学 工学部 電気情報系学科 教授 大観 光徳 先生

鳥取大学 工学部 電気情報系学科 教授 大観 光徳 先生

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アグリフォトニクス、電気電子工学

メッセージ

私は鳥取大学の電子ディスプレイセンターで、新しいタイプの液晶ディスプレイの研究をしています。今までにないものをつくり出すには、創造的な発想が必要です。
興味や疑問を工夫して解決するセンスは、勉強だけで身につくものではありません。子どものときに思いきり遊び、好きなことに熱中したり、大学に入った後も実際にものをつくり、評価することを繰り返したりする中で、新たな発想が生まれるのです。そのためにも、自分が知らないことや新しいことを見つけ、好奇心をもって探究する気持ちを持っておきましょう。

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鳥取大学は、教育研究の理念に「知と実践の融合」を掲げ、高等教育の中核としての大学の役割である、人格形成、能力開発、知識の伝授、知的生産活動、文明・文化の継承と発展等に関する学問を教育・研究し、知識のみに偏重することなく、実践できる能力をつけるように努力しています。また、研究・教育拠点、幅広い専門的職業人の養成、地域の生涯学習機会の拠点、社会貢献機能など個性輝く大学を目ざし、地方大学にこそ求められるオンリーワンの研究開発を行い、社会に貢献し、国際的競争力を確保できる大学運営を目ざしています。