電子ペーパーで紙を使わない社会を実現する

電子ペーパーで紙を使わない社会を実現する

電子ディスプレイの進化形、電子ペーパーとは

近年、液晶などの電子ディスプレイは薄型化・小型化・軽量化が進んでいます。近い将来、紙を使わない「電子ペーパー」が普及することでしょう。電子ペーパーとは、紙のように薄い画面に、紙への印刷と同じような高品質で文字や絵を映して見ることができる、電子ディスプレイの進化形です。紙のように薄いのですから、持ち運びにも便利です。
電子ペーパーは従来の液晶ディスプレイのように、中にあるバックライトや発光ダイオード(LED)が液晶パネルを照らすのではなく、日光や室内の蛍光灯などを使って文字や絵を映し出します。現在は、文字や静止画だけでなく動画を映すための研究開発も進められています。

紙と同じような感覚で使う

電子ペーパーは、指先で本のページをめくる感覚で画面を切り替えることができます。さらに電子ペーパーは消費電力が少ないことも特長です。例えばノート型パソコンの場合、液晶パネルの背面にあるバックライトが電力を多く消費します。バックライトを使わない電子ペーパーは、画面を表示するのにごくわずかな消費電力で済むのです。1回の充電で長時間使うことが可能で、さらに軽く薄いので、まさに手帳やノートと同じように持ち運び、使用することができます。また、新聞や電車内の吊り広告のような大きなサイズの電子ペーパーも既に開発されています。

学校でもペーパーレス

電子ペーパーが普及すれば、学校の授業が様変わりすることでしょう。今はまだ紙と鉛筆・シャープペンシルなどを使って文字を書くことが主流ですが、先生が電子黒板で教え、生徒は電子ペーパーとタッチセンサーをつけたペンでノートをとる、そんな時代がくるかもしれません。先生は各生徒のノートを瞬時に確認できますので、先生と生徒が授業中に画面を通じてオンラインでやりとりすることも夢ではありません。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

鳥取大学 工学部 電気情報系学科 教授 大観 光徳 先生

鳥取大学 工学部 電気情報系学科 教授 大観 光徳 先生

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アグリフォトニクス、電気電子工学

メッセージ

私は鳥取大学の電子ディスプレイセンターで、新しいタイプの液晶ディスプレイの研究をしています。今までにないものをつくり出すには、創造的な発想が必要です。
興味や疑問を工夫して解決するセンスは、勉強だけで身につくものではありません。子どものときに思いきり遊び、好きなことに熱中したり、大学に入った後も実際にものをつくり、評価することを繰り返したりする中で、新たな発想が生まれるのです。そのためにも、自分が知らないことや新しいことを見つけ、好奇心をもって探究する気持ちを持っておきましょう。

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鳥取大学は、教育研究の理念に「知と実践の融合」を掲げ、高等教育の中核としての大学の役割である、人格形成、能力開発、知識の伝授、知的生産活動、文明・文化の継承と発展等に関する学問を教育・研究し、知識のみに偏重することなく、実践できる能力をつけるように努力しています。また、研究・教育拠点、幅広い専門的職業人の養成、地域の生涯学習機会の拠点、社会貢献機能など個性輝く大学を目ざし、地方大学にこそ求められるオンリーワンの研究開発を行い、社会に貢献し、国際的競争力を確保できる大学運営を目ざしています。