微細な結晶に閉じ込めた光で高感度マイクロ光センサを実現する

微細な結晶に閉じ込めた光で高感度マイクロ光センサを実現する

低コストで低環境負荷な微細な結晶の作製法

微細な結晶には、工学上有用な多彩な特性を発現できるものがあります。このような微細な結晶を作製する方法は、現代社会が抱える環境に対する課題に留意し、工業上の競争力を有する方法でかつ高品質に作製できることが求められています。これらの要求を満たす微細な結晶の作製方法を検討することは、とても重要な研究課題の1つです。

微細な結晶に光を留めて微小レーザーへ応用

ナノ~マイクロオーダーの微細な結晶の形状によっては、微細な結晶内で光が何度も反射しながら同じ経路をぐるぐると周回し、微細な結晶の外へと放射する光は抑制(低減)され、光が微細な結晶に留まる現象が起きる場合があります。この現象によって特定の波長の光が微細な結晶の中で増幅し、レーザー発振を起こすことができます。これは、ナノ~マイクロオーダーの微小レーザーへの応用が期待されています。


微小レーザーで高感度マイクロ光センサを目指す

微細な結晶は微小レーザーへと応用可能性がありますが、微小レーザーは高感度マイクロ光センサへの適用が検討されています。実は、微細な結晶に留められた光は、わずかに微細な結晶の外へと浸みだしながら、微細な結晶の中で同じ経路をぐるぐると周回しています。このわずかな光の浸みだしが、マイクロ光センサのキーポイントとなっています。微細な結晶の周囲状態が変化すると、この光の浸みだしは微細な結晶の外側の(周囲状態の)変化の影響を受けます。この影響は、この浸みだしとともに微細な結晶を周回するレーザー光へと伝搬します。そうすると、レーザー光の波長などの特性が変化することが、これまでの研究でわかっています。この原理を応用すると、周囲状態を微小レーザーの波長変化によって知ること、即ちセンシングできる可能性が有ります。また、このセンサは非常に感度が高い可能性が有り、例えば、ウィルス粒子などのとても小さなターゲットも検出できると期待できます。

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静岡大学 工学部 電子物質科学科 准教授 光野 徹也 先生

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応用物理学、物理学、ナノマイクロ科学

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メッセージ

高校で勉強する内容は理系文系を問わずきちんと修めておきましょう。現代の技術体系は複雑化しており、一つの学問分野だけでは突破できないことも多いです。また、工学は社会への還元が重要なターゲットとなるため現代社会が抱える課題と向き合う必要もあります。広い知識と視野は、アイディアの源泉であり、他分野との連携を助け、展望を開くきっかけになると思います。

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