磁石の反発力でなく、吸引力で浮上するリニアモーターカー

磁石の反発力でなく、吸引力で浮上するリニアモーターカー

実用化されているリニアモーターカー

2027年の開業をめざしているリニア新幹線は、リニアモーターを使用し電磁石から生まれる反発力によって車両を浮かせて走らせる仕組みです。しかし、実はリニアモーターを使用した交通機関は、すでにかなり実用化されています。
リニアモーターとは、電磁石によって回転するモーターを直線状(リニア)に展開したものです。磁力の働きで回転する原理を直線運動にすることで、車両が推進する力に変えているのです。例えば、東京都の大江戸線はリニアモーターを使用したリニア地下鉄です。ただし、車両を浮上させずに純粋な推進力としてリニアモーターを使っています。

リニアの浮上方式には2種類ある?

磁気浮上型のリニアモーターカーにも2種類のタイプがあります。リニア新幹線のように磁石の反発力で浮上させるもの、そして、磁石の吸引力を使って浮上させるものです。愛知県の東部丘陵線などに採用されているHSSTや上海リニアのシステムは、吸引式磁気浮上を実用化したもので、どちらも高速かつ長距離の輸送に使用されています。

吸引式磁気浮上が活躍する未来

リニア新幹線は、超電導による強い磁界を発生させるため車両が約10cm浮きます。万一の場合の安定性・確実性などを考慮して反発式磁気浮上が採用されています。一方、吸引式磁気浮上では浮くのはほんの数mmです。
反発式システムでは車両とレールが近づけば近づくほど反発力が強くなるため力の制御は不要ですが、吸引式は間隔が狭くなりすぎないようにその力を制御する必要があります。推進に使われるリニアモーターの動作原理も様々です。うまく組み合わせていくことが大切です。またリニアモーターカー以外の応用例もたくさんあります。
吸引式磁気浮上リニアモーターシステムは、課題がまだまだ多く残っています。しかし周辺分野において新しい技術や発見が生まれさえすれば、新たなシステムを実現できる可能性を持っています。地道な研究開発を続けていくことが将来の技術革新につながると言えます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

大阪工業大学 工学部 電気電子システム工学科 教授(学部長) 森實 俊充 先生

大阪工業大学 工学部 電気電子システム工学科 教授(学部長) 森實 俊充 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

パワーエレクトロニクス、電気機器工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

何事にもチャレンジしてください。失敗は当たり前と考えましょう。新しいことに挑戦すれば、必ずどこかで失敗するものです。私の好きなエジソンの言葉に、「私は失敗したことがない。うまくいかない1万通りの方法を見つけただけだ」がありますが、「できないことがわかる」というのは1つの成果であり、それはやってみないとわからないことなのです。思いついたことはとりあえずやってみて、うまくいかなかったら違う方法を考えればいいだけです。失敗を恐れず、チャレンジすることをお勧めします。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大阪工業大学に関心を持ったあなたは

大阪工業大学は、工学部・ロボティクス&デザイン工学部・情報科学部・知的財産学部の4学部17学科構成で、「人のために役立つものづくり」を追究しています。本学学生たちの学びの原動力は「社会を思う優しい気持ち」や「積極的に学問・技術を探究する情熱」。そのため、特色ある実験・演習やグローバル人材育成をめざした語学教育など、多彩な教育プログラムを展開しています。そんな「質を保証する教育」が高い就職実績につながっています。