教師に必要な学びとは? ノンフォーマル教育の効果を探る
教師も日々学んでいる
学校では、よりよい教育を提供するために教師も日々学んでいます。研修や授業研究などフォーマルな学びの機会は数多く設けられていますが、それだけで教員が成長できるわけではありません。職場での同僚との会話、先輩とのやりとりといったインフォーマルな場での経験が成長に役立ったと実感している教員は多く見られます。しかし、働き方改革などの影響で教員が学校にいる時間が減り始め、若手が先輩からじっくりと教わる機会も減少し、経験や知識の継承がうまくいっていないことが課題になっています。そこで学校外に「フォーマルではない」=「ノンフォーマル」な学びの場をつくり、若手教員の成長を支えられないかと、研究が始まりました。
ノンフォーマルな学びの効果を探る
ノンフォーマルな学びの場は、学校内外での自主的な実践交流会やセミナー、サークル活動など、制度化されていない組織的なものです。こうした場に通うことで教員の成長にどのような影響が出るのか、参加者を対象に聞き取り調査が行われています。例えば大学時代からノンフォーマルな学びの場に参加していた教師は、教育現場での体験談や実践内容に事前に触れたことで、教師としての働き方や困難な事態への対処方法がイメージしやすくなった、と答えました。こうした傾向はほかの参加者の回答からも見られます。そのためノンフォーマル教育は現役教師を支えるだけでなく、大学での学びと実際の教育現場をつなぎ、成長を促す効果もあるのではと、調査が続けられています。
フォーマルな学びとの違い
大学の授業や公的な研修などのフォーマルな学びでは、最低限獲得しなければならない知識や考え方を学びます。例えば日本の教育の流れや教材の使い方といった、国が定めた内容です。一方でノンフォーマルな学びでは、学習者のニーズに合わせた柔軟な内容を扱えます。参加者自身が「今学びたいこと」に向き合えるのも利点のひとつです。フォーマル学習とノンフォーマル学習をバランスよく経験することこそ、教師の成長に大切なことです。
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姫路大学 教育学部 こども未来学科 講師 阿曽 奈生 先生
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