学校を良くするためのマネジメントを考える ~校長先生と生徒の役割
校長先生の仕事って何だろう?
もしあなたが、校長先生になるとしたら、どんなことをしますか? 校長先生は、学校運営の最高責任者です。しかし、学校という大きな組織は、校長先生ひとりで運営できるわけではありません。ほかの教師や生徒、保護者、地域の人の協力がなければ、良い学校運営は実現できないでしょう。校長先生には、さまざまな人たちを巻き込んで、生徒から「ここで学んでよかった」、保護者や地域の人たちに「この学校があってよかった」と感じてもらうためのマネジメント力が必要なのです。
時代とともに変わる理想の校長像
教育学は、理想の学校運営を追究するために、校長先生は何をすべきかを考えることもテーマのひとつです。高度成長期の前頃まで、校長先生には、経験豊かな教師として「教師を指導する教師」の役割が求められていました。しかし次第に、学校の雰囲気を変える変革の手腕や、法令や組織経営の知識も求められるようになりました。透明性・公平さや、安心・安全を考えることも重要なポイントになっています。社会の変化を受け、時代とともに理想の校長像も変わってきているのです。近年では、学校運営の優れたリーダーになるための校長先生の研修会や養成プログラムの開発も行われています。
学校で自治を学ぶ
課題がひとつも見当たらない学校はないはずです。「良い学校」とは、課題がないことではなく、課題を共有できる学校です。教師、生徒、地域の人々や自治体が、課題を共有できてこそ、ビジョンや目標が生まれます。その上で、実現するためのプランを練るのです。
学校には、生徒の目線でないと見えない問題もあるでしょう。学校は、自治を学ぶ場所でもあります。だから、あなたに学校を変えたいという気持ちがあるなら、ホームルームや生徒集会など意見を述べることのできる場で発言することも、自治を学ぶ大切な一歩です。そうすることで、学校をより良い場所にするためのマネジメントに、あなたも参加していることになるのです。
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先生情報 / 大学情報
九州大学 教育学部 教授 元兼 正浩 先生
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