講義No.14925 教育 児童学

「先生、知ってる?」 子どもの目を輝かせる秘密

「先生、知ってる?」 子どもの目を輝かせる秘密

自分の「?」をもつこと

街を歩いていて、ふと「信号機の色はなぜあの並びなんだろう?」と思ったことはありませんか? 調べてみると思いもよらない理由が隠されています。自分でもった疑問は、先生から与えられるものより、強く印象に残ります。それは、主体的な学びだからです。社会科では身近な疑問から社会の課題まで、自分で調べ、話し合っていくことで自分では気づかなかった人々の働きや工夫が見えてきます。こうした学習過程で一番大切なのは、「?」を自分のものにしているかどうかです。

2度体験をさせるとよいわけ

子どもが自ら「?」をもつにはどうしたらよいのでしょうか。例えば、スーパーに見学に行くと「なぜこのように商品を並べるんだろう?」「お客さんはどこを見て商品を選ぶんだろう?」など、さまざまな疑問をもち始めます。しかし、初めて訪れた場所では疑問を見つけられなかったり、お店の人やお客さんに質問できなかったりします。しかし、もう一度スーパーに見学に行く機会を作ると、探求心が行動に結びついて、お店やお客さんに話を聞いたり、さらに調べたりするようになります。中には、地域にお店が少なくなって買い物ができない高齢者がいると知り、お店に移動販売をお願いするといった行動をとった実践例もあります。実体験を通した学びによって「自分の目線」から「お店やお客さんの目線」、さらには「地域社会の問題を見る目線」へと見方が多面的に広がっていったのです。

先生のワクワクが、子どもの目を輝かす

実体験をさせるには、教員はさまざまな下準備が必要です。また、準備と時間がかかるので、学校の教員同士、地域の人々と連携・協力する必要があります。準備を進める中で「子どもたちは驚くだろうな」「新しい?を見つけるかな」と子どもたちの顔が次々に浮かんできて先生はワクワクしてくるでしょう。先生がワクワクしたものは、子どもたちにも伝わり、目を輝かせてくれるはずです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

椙山女学園大学 教育学部 子ども発達学科 教授 相川 保敏 先生

椙山女学園大学教育学部 子ども発達学科 教授相川 保敏 先生

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教育学

先生が目指すSDGs

メッセージ

多くの人が、教育現場は大変だという印象を持っているかもしれません。教育にはゴールがないので追求するとキリがないですが、自分の考えややり方によって働く環境が自由に変えられる職業だと思います。なにより授業を通じて子どもの成長や反応を見られる大きな喜びもあります。一時間、一日、一年の成長を感じるだけでなく、10~20年後に教え子から連絡をもらって「先生のあの言葉、指導が役に立っている」と言われたりするととてもうれしいものです。子どもとかかわるだけで、元気が出てきます。教員は魅力的な職業だと思います。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

椙山女学園大学に関心を持ったあなたは

「わたしは、強く優しい、輝く先生になる。」
変化する教育現場、多様化する子どもたちに、強くやさしく、輝く先生を。

子ども発達学科では、長期的な視野と多様な視点で子どもたちを見守る教育者・保育者の養成を目指し、保育と幼児教育、幼児教育と小・中・高等学校教育の垣根を越えた複数の資格・免許を取得できる環境を用意。徹底した少人数教育と個別指導、椙山女学園の総合力を生かした多彩な実習プログラムにより、優れた指導力と豊かな人間性を育みます。