楽しくわかる音楽の授業って?
ルールや仕組みを知ると、音楽を自ら楽しめる
授業を工夫することによって、子どもたちは自ら音楽を創作したり、いろいろな音楽要素を学んでいったりすることができます。例えば、1台の木琴を4人1組で使って、即興演奏する「音楽づくり(創作)」の授業があります。この授業では、(1)低音でゆっくりした音を入れる担当、(2)低音より高い位置で一定のパターンを刻む担当、(3)パターンより高い位置で自由に弾くメロディ担当、(4)さらに高い位置で飾りの音を入れる担当の各担当(いずれも黒鍵を打ちます)を決めて即興演奏します。演奏の始め・真ん中・終わりの工夫、速さ、音の強弱などを自分たちで工夫し、音楽要素を自然に学んでいき、各グループで個性的な音楽が仕上がります。
未来の音楽の授業をつくる
リコーダーの仕組みを知ると、紙とストローを使ってリコーダーを自分でつくることができます。(1)「ドレミソラ」の5音を使う、(2)一定の節回しを使う、(3)歌詞を五七調でつくるなどのルールを示すと、なんと演歌もつくってしまいます。そして、演歌について考察をしたりもします。歌を歌う、音楽を聴く以外にも、音楽を遊び・学ぶ授業はたくさんあるのです。授業は現学習指導要領を踏まえて組み立てますが、教師は、面白い授業を求めて考察していく中で、次の学習指導要領につなぐ課題を見つけていきます。それが、未来の子どもたちと音楽のための授業をつくっていくことにつながります。
歌を歌う動物は人だけ
そもそも、動物の中で「うたう」のは人だけの行動です。私たちは、赤ちゃんに声をかけるとき、「おーはーよう」と無意識に抑揚をつけて声をかけます。赤ちゃんも、抑揚がある言葉のほうにより反応します。言葉や思いは、まずメロディにのってやってくるのです。音や音楽は、人にとって、とても根源的なものなのです。音楽の授業では、このような音楽的コミュニケーションも楽しみながら、「伝わる」「表現できる」「わかる」楽しさの工夫を考えていきます。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 教育学部 子ども発達学科 教授 山中 文 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
音楽教育学先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?