講義No.09423 教育 音楽

楽しくわかる音楽の授業って?

楽しくわかる音楽の授業って?

ルールや仕組みを知ると、音楽を自ら楽しめる

授業を工夫することによって、子どもたちは自ら音楽を創作したり、いろいろな音楽要素を学んでいったりすることができます。例えば、1台の木琴を4人1組で使って、即興演奏する「音楽づくり(創作)」の授業があります。この授業では、(1)低音でゆっくりした音を入れる担当、(2)低音より高い位置で一定のパターンを刻む担当、(3)パターンより高い位置で自由に弾くメロディ担当、(4)さらに高い位置で飾りの音を入れる担当の各担当(いずれも黒鍵を打ちます)を決めて即興演奏します。演奏の始め・真ん中・終わりの工夫、速さ、音の強弱などを自分たちで工夫し、音楽要素を自然に学んでいき、各グループで個性的な音楽が仕上がります。

未来の音楽の授業をつくる

リコーダーの仕組みを知ると、紙とストローを使ってリコーダーを自分でつくることができます。(1)「ドレミソラ」の5音を使う、(2)一定の節回しを使う、(3)歌詞を五七調でつくるなどのルールを示すと、なんと演歌もつくってしまいます。そして、演歌について考察をしたりもします。歌を歌う、音楽を聴く以外にも、音楽を遊び・学ぶ授業はたくさんあるのです。授業は現学習指導要領を踏まえて組み立てますが、教師は、面白い授業を求めて考察していく中で、次の学習指導要領につなぐ課題を見つけていきます。それが、未来の子どもたちと音楽のための授業をつくっていくことにつながります。

歌を歌う動物は人だけ

そもそも、動物の中で「うたう」のは人だけの行動です。私たちは、赤ちゃんに声をかけるとき、「おーはーよう」と無意識に抑揚をつけて声をかけます。赤ちゃんも、抑揚がある言葉のほうにより反応します。言葉や思いは、まずメロディにのってやってくるのです。音や音楽は、人にとって、とても根源的なものなのです。音楽の授業では、このような音楽的コミュニケーションも楽しみながら、「伝わる」「表現できる」「わかる」楽しさの工夫を考えていきます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

椙山女学園大学 教育学部 子ども発達学科 教授 山中 文 先生

椙山女学園大学 教育学部 子ども発達学科 教授 山中 文 先生

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音楽教育学

メッセージ

物事に対して「本当にそうなのか」と自分の目を通して見ていってほしいと思います。例えば、音楽の授業でいうならば、きれいな声で歌わせたいときに、よくそのまま「きれいな声で歌いましょう」と指示してしまうことがあります。でも、それで良い声になるなら、授業は不要です。どういう指示をすれば子どもたちが声出しを面白く工夫していけるかを探って実践することが授業の醍醐味につながります。当たり前だと思えるいろいろな出来事をいい意味で疑ってかかり、多角的に考えていく目を持ちましょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

椙山女学園大学に関心を持ったあなたは

「わたしは、強く優しい、輝く先生になる。」
変化する教育現場、多様化する子どもたちに、強くやさしく、輝く先生を。

子ども発達学科では、長期的な視野と多様な視点で子どもたちを見守る教育者・保育者の養成を目指し、保育と幼児教育、幼児教育と小・中・高等学校教育の垣根を越えた複数の資格・免許を取得できる環境を用意。徹底した少人数教育と個別指導、椙山女学園の総合力を生かした多彩な実習プログラムにより、優れた指導力と豊かな人間性を育みます。