フィンガーペインティングとは? 指絵具の感触で童心に戻ってみよう
子どもの心に響く言葉がけとは?
子どもが絵を描いているのを見ると、誰もがつい「上手だね」とか「すごいね」という言葉を気軽にかけてしまいます。でも、本当は嫌々描いていたり、思い通りに描けなくてイライラしたりしているのかもしれません。そのような時に、「上手だね」「すごいね」と言葉をかけても、決して子どもの心に響かないでしょう。もし、言葉をかけるなら、「ここをこんな風に描いたの? すごいね」とか「私は、ここの色が好き」など、ポイントをほめることが大切です。子どもは、大人とまったく異なる感覚を持っているのです。
子どもの感覚になれるフィンガーペインティング
そんな忘れていた子どもの頃の感覚を思い出すためのイメージワークのひとつが、「フィンガーペインティング」です。泥のようにやわらかな指絵具を使って、直接手で自由に描くことで、赤ちゃん返りのように、大人が子どもの頃の感覚を追体験できると考えられています。
例えば、大きな紙に何人かで描いていくと、自分の描いている世界に友だちが入ってきて怒りの感情がわいてきたり、ほかの友だちの絵のところへ入りたいけど「だいじょうぶかな?」とためらったり、さまざまな気持ちが出てきます。これこそが砂遊びをしている時などに、子どもが感じている感覚なのです。
イメージワークで保育・教育者の心を豊かに
描いた絵の世界が友だちに壊されて、あなたが思わず投げやりになって絵具を紙にたたきつけたとします。でも、それを見た友だちが「面白そうだね」とまねをして、一緒にやっているうちになんだか楽しい気持ちに変わったりする、そんな不思議な心の機微も体験できるでしょう。
フィンガーペインティングの後には、その描いた紙を切り貼りして新しい表現に変えるカッティングワークを一緒に行い、モヤモヤした気持ちの消去作業をします。このようなイメージワークは、保育者や教育者をめざす人の心や感覚を豊かにするトレーニングとしても期待されています。
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先生情報 / 大学情報
愛知教育大学 教育学部 教育科学系 幼児教育講座 教授 林 牧子 先生
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