次代を育む「母性」のメンタルヘルスを守る! 科学的根拠の探究
出産後のメンタルヘルス
出産前・後の女性は体内のホルモンバランスが変動しやすく、メンタルヘルスにも不調が出やすくなります。特に出産後は体内のホルモンが急激に減少します。ささいなことで気分が大きく落ち込んでしまうなどメンタルヘルスが安定しにくく、産後うつになる人もいますので支援が必要です。
オキシトシンとメンタルヘルスの関係
科学的な根拠を証明して、メンタルヘルスに関するサポート体制を整えようと研究が行われています。例えば、幸せホルモンと呼ばれることもある「オキシトシン」の分泌量を継続的に計測する試みです。オキシトシンが分泌されるような状況が継続すれば、ストレスが減りメンタルヘルスが安定するはずです。
計測の結果、2人目以降を出産する人よりも、初めて出産を経験する人のほうが不安を感じやすく、オキシトシンが分泌されにくいことが明らかになりました。また、新型コロナウイルスが流行した2020年頃に出産や育児をした人は、感染対策のための外出自粛や、家族が出産に立ち会えないなどの状況が、オキシトシンの分泌量にも影響を与えたと考えられます。実際に2020年頃からは産後うつになる人が増えたことがわかります。
メンタルヘルスとコミュニケーションの重要性
心拍変動の波形も、メンタルヘルスの状態を反映しています。計測した実験では、健診で看護師や助産師たちと十分なコミュニケーションがとれた人は、リラックスした波形の心拍が多いことがわかりました。小さなことでも相談に乗ったり、日常の話をたくさん聞いたりして、不安を取り除きやすい環境を作っていくことが大切です。
これらのオキシトシンや心拍変動の計測結果を踏まえると、メンタルヘルスを保つためには、まず身近の人とのコミュニケーションを充実させることが重要だと言えます。
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