生物の群れからヒントを得た、最適化アルゴリズム
![生物の群れからヒントを得た、最適化アルゴリズム](https://yumenavi.info/img/Lg014139.jpg)
日常的に行われている最適化
「最適化アルゴリズム」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、私たちは家から目的地まで、できるだけ時間や費用がかからないルートを選択するなど、日常的に最適化を行っています。身近なところでは、ルート検索のアプリやWebサイト、運送業者の配送ルートなどにもこうしたアルゴリズムが使われていて、膨大な数の候補の中から、距離や時間だけではなく、混雑予想や給油ポイントなど、さまざまな条件を満たす最良な選択肢を効率的に求めることが必要とされています。
自然界の事象をAIに応用
自然界では多くの事象が最適化されていて、その仕組みを取り入れたAI(人工知能)アルゴリズムは多岐に渡ります。その中の一つに、渡り鳥やイワシなど、餌場を求めて群れで行動する生物の振る舞いを模倣した「群知能アルゴリズム」があります。群れの中に、自然と集団を先導するリーダーが生まれ、そのリーダーに倣って、答えを探し出す仕組みを取り入れたもので、個がシンプルなルールに従って行動することで、群れとして集合的振る舞いが創発され、結果的によい答えを見つけ出すという仕組みです。膨大な数の答えの候補があったとしても、集団で答えを探すことができるため、効率的に実用的な答えを見つけることができます。
社会課題を最適化で解決に導く
最適化アルゴリズムは、PCのスペックや計算アルゴリズムの速度向上によって、これまでは適用が難しかった領域にも活用の幅を広げています。社会情勢や天候の変化などから需要予測を立て、人・モノ・時間を効率よく使い、品質やコスト、納期のバランスの取れた生産計画を立てるなど、工業製品の設計・計画などへの活用も進んでいます。より優れた答えを、より短時間で効率よく導き出す技術は、今後も確度を高め、さらなる進化に期待が寄せられています。
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先生情報 / 大学情報
![湘南工科大学 情報学部 情報学科 人工知能専攻 准教授 佐々木 智志 先生](https://yumenavi.info/img_p/P014290026sasaki.jpg )